• "長崎市域"(/)
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  1. 長崎県議会 1998-07-01
    07月21日-05号


    取得元: 長崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成10年  7月 定例会(第2回) 一、開議 二、県政一般に対する質問 三、上程議案委員会付託 四、散会 平成十年七月二十一日(火曜日)  出席議員(五十二名)    一番 松島世佳君    二番 松元義隆君    三番 大川美津男君    四番 松尾 等君    五番 萩原康雄君    六番 杉 徹也君    七番 橋本希俊君    八番 松尾忠幸君    九番 高倉洋一君   一〇番 吉川 豊君   一一番 橋村松太郎君   一二番 野口健司君   一三番 浜崎祐一郎君   一四番 馬込 彰君   一五番 中山 功君   一六番 田中愛国君   一七番 西川忠彦君   一八番 野本三雄君   一九番 川越孝洋君   二〇番 川村 力君   二一番 森 信也君   二二番 前田富雄君   二三番 平田賢次郎君   二四番 林田 悧君   二五番 朝長則男君   二六番 三好徳明君   二七番 佐藤 了君   二八番 西津 覚君   二九番 奥村愼太郎君   三〇番 八江利春君   三一番 末永美喜君   三二番 田口一信君   三三番 大石 保君   三四番 中田晋介君   三五番 広川 豊君   三六番 宮崎角治君   三七番 本多繁希君   三八番 園田圭介君   三九番 松田正民君   四〇番 田中廣太郎君   四一番 北村誠吾君   四二番 末吉光徳君   四三番 谷川弥一君   四四番 池原 泉君   四五番 南条三四郎君   四六番 吉永和男君   四七番 石本順之助君   四八番 林 義博君   四九番 加藤寛治君   五〇番 吉住重行君   五一番 古藤恒彦君   五二番 村山一正君 -----------------------  説明のため出席した者   知事            金子原二郎君   副知事           清浦義廣君   出納長           宮崎政宣君   総務部長          森脇晴記君   企画部長          溝添一紀君   生活環境部長        田中敏寛君   福祉保健部長        塩塚吉朗君   商工労働部長        水谷 正君   水産部長          木村道夫君   農林部長          白浜重晴君   土木部長          梶 太郎君   交通局長          前田信行君   雲仙岳災害復興担当理事   川端一夫君   長崎都心再開発担当理事   勝本 豊君   教育委員会委員長      緒方秀隆君   教育長           出口啓二郎君   教育次長          山崎滋夫君   監査委員          中川 忠君   監査事務局長        浦川 勝君   人事委員会委員       高平米雄君   人事委員会事務局長     三浦正秀君   公安委員会委員       横尾秀典君   警察本部長         田林 均君   警務部長          岩田 彰君   地方労働委員会事務局長   木下浩之君   選挙管理委員会委員     藤本勝喜君   選挙管理委員会書記長    南里雅彦君 -----------------------  事務局職員出席者   局長            水上啓一君   次長兼総務課長       米倉元治君   議事調査課長        吉田岩水君   企画監           立花正文君   議事調査課課長補佐     内田喜久君   議事調査課係長       本田哲朗君   主事            永野清士君   主事            山下尚信君 -----------------------     -- 午前十時零分開議-- ○議長(村山一正君) おはようございます。 ただいまから本日の会議を開きます。 これより七月十七日に引き続き一般質問を行います。中山議員-十五番。 ◆十五番(中山功君) (拍手)〔登壇〕おはようございます。 自由民主党・県民会議の中山 功でございます。 質問通告に従いまして交通渋滞対策等について質問いたしますので、知事初め、教育長、関係部長の明快な答弁を期待いたします。 なお質問通告をしていませんでしたけれども、議長のお許しをいただきまして、雪浦第二ダム建設に係る用地取得問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。 先週末の七月十七日に、雪浦第二ダム建設の用地取得問題について、「三重の自然・環境を守る会」から住民訴訟が提起されたという報道がありましたので、急遽、この訴えについて質問をさせていただきます。 雪浦第二ダム建設に係る用地取得問題については、一般質問初日目同僚加藤議員より質問があり、知事の御所見についてお答えいただくとともに、土木部長より用地取得の経過、買収価格の妥当性、議会上程の趣旨について説明がありましたが、その後、先ほど述べましたように、長崎市三重地区の住民団体八名が雪浦第二ダム建設に係る用地取得問題について、住民監査請求の結果に不服があるとして長崎地方裁判所に提訴したと報じられたおります。そこで、訴えの内容及びこれに対する県の考えをお尋ねいたします。 特に、被告職員が県の機関としての職員ではなく、個人としての職員が訴えられていると聞いておりますが、雪浦第二ダム建設のために、県の意思に沿って用地買収した職員個人がなぜ被告となるのか、あわせて説明をお願いいたします。 交通渋滞対策のソフト面について。 我が国は、戦後、まず道路建設と自動車の普及に力を入れ、産業の振興を図ってまいりました。この半世紀の間に、陸・海・空の交通システムは一通り整備、充足がなされています。特に、道路においては高速道路を初め、全国津々浦々まで舗装整備がなされており、自動車の生産台数もそれに比例して増加してまいりました。その結果、都市部の道路では、朝夕の通勤、通学、帰宅時間を中心に慢性的な交通渋滞を引き起こしております。 本県でも都市部を中心に交通渋滞が発生しており、その解決が県政の重要な政策課題の一つになっております。このため、県下の道路管理者が中心となって昭和六十三年度以降、「渋滞対策緊急実行計画アクションプログラム)」、「長崎県渋滞対策推進計画」、「西彼杵地域休日渋滞対策推進計画」を策定し、所要の渋滞対策を実施してまいりました。さらに、平成五年には「長崎県交通渋滞対策協議会(建設省、長崎県、長崎県警、日本道路公団、長崎市、佐世保市)」を組織し、道路利用者を初め、有識者の方々の御意見を踏まえ、既存の対策を総合的に見直し、ゆとり長崎への第一歩として、新たに「長崎県新渋滞対策プログラム」を策定し、取り組んでおります。また、長崎県公安委員会においても、従来より交通管制システムの高度化や信号機の系統化、合理的な交通規制の推進等を通して渋滞対策に努力しております。しかしながら、都市部での交通渋滞は、解消よりむしろ混雑度は高くなっているように思います。 渋滞の原因として考えられますのが、長崎市の平成八年における対平成四年の道路実延長の伸び率は二・三四%であるのに対し、同期間の車両数及び免許保有者数の伸び率がそれぞれ九・五%、七・五%と大きく伸びており、あわせて、都市化、広域化等により交通需要が交通容量より大幅に伸びていること。 また、勤労者の勤務状況を調べてみますと、製造業、建設業者の勤務時間が八時から八時十五分、八時三十分へとシフト化、第三次産業、サービス業従事者等の増加に伴い、小・中・高校の始業時間午前八時三十分ごろに勤務の集中化が一段と進んでいます。以上の二つが渋滞の大きな原因になっていると思います。その結果、精神的、経済的に大きな負担になっております。 その一、交通渋滞による時間的損失を、渋滞のある場合と、ない場合の年間総走行時間を比較して、この時間を勤労者の賃金ベースで換算いたしますと、日本全体で約五十六億時間、一人当たり五十時間の損失となります。賃金ベースでは十二兆円、一人当たり十万円弱になります。本県においては、交通渋滞による損失は平成五年度調べで約千六百億円となり、一人当たり十万円強になっております。 その二、幹線道路の渋滞により生活道路に多量の車両が流れ込み、地域住民の日常生活に重大な支障を来すとともに、通勤・通学時間と重なり、小学生、中学生等の安全確保が非常に難しくなっております。 その三、渋滞の程度により、予定時間の設定が難しく、企業活動、あるいは県外等からの観光客に大きな不満として悪い感情を与えております。 その四、エネルギーの燃料消費量の増、また排ガス等の排出による環境への負荷増などであります。 これまで、渋滞対策としては、体系的な道路ネットワークの整備を中心として、ボトルネックの解消のため、交通の集中交差点や大幅な容量不足の道路区間においては、渋滞緩和解消のための道路の拡幅、それにあわせた交差点の改良及び立体化、信号制御の適正化等を行ってまいりました。今後もこれらの事業を強力に推進してその解決を図るとしても、長い年月と巨額な費用を投入しなければなりません。今後は、従来からの手法を一歩進めてといいますか、発想の転換をして、ハード面での政策に加えて、ソフト面をより重視した政策が求められていると思います。 そこで、ソフト面での政策について、県民の英知を集め、協力を求めるとともに、県を初め、関係機関一体となって交通の渋滞解消のために強力な取り組みをする必要があると思いますが、知事の御所見をお尋ねいたします。 次に、交通渋滞対策のソフト面について具体的に質問いたします。 (一)マイカー自粛運動について。 マイカー自粛運動は、マイカー通勤、通学者が、バス、電車、鉄道等、大量輸送公共機関を利用することにより、通勤、通学時間帯における道路交通の混雑の緩和を図るとともに、道路環境の保全とあわせて交通安全の推進に寄与することを目的として、昭和五十六年から開始、六十一年からは春・秋の全国安全運動の実施期間に呼応して実地しています。なお、主唱者は長崎都市圏交通問題協議会(県、警察本部及び長崎市ほか二市十町で構成)を中心に、従業員五十人以上の事業所に協力を要請するとともに、公共交通の企業者にも増便、増発等を要請し、二十年近く実施しているこの運動をどのように評価しているのか、お尋ねいたします。 (二)公共車両優先システムの導入について。 長崎市においては、バス等の定時運行を確保するため、昭和五十三年十月よりバス専用レーンを設定し、また交通状況に応じて信号機をコントロールしたり、交通情報板を制御して混雑を緩和する交通管制システムを設置、その充実に努めております。私は、それをさらに進めるために公共車両優先システム等を導入する必要性を感じております。このシステムは、光学式車両感知器光ビーコン等)、バスに搭載した投受光器、車載機の間で双方向通信を行うことができます。この結果、きめ細かなバス優先信号制御、またバスレーン違法走行車両に対する警告が可能となり、バス運行の定時性の確保、利便性を向上をさせることでマイカーから通勤手段の転換を促し、自動車総量の抑制を図り、都市部の渋滞緩和が期待されますし、平成八年四月より札幌市で導入され、一定の成果を上げていると聞いております。このシステムの導入計画についてお尋ねいたします。 (三)通勤シャトルバスについて。 長崎市が県交通局及び長崎自動車の協力を得て、九六年及び九七年に各一回ずつ計二回、交通渋滞緩和策の一環として試行運転をしています。九六年の試行時には三ルート、九十九便を運行した結果、マイカー通勤者を対象に三日間の無料バスに計五百人余りが乗車いたしました。九七年の試行時には対象者を限定せず、二ルート、八十一便を運行した結果、一、有料だったが、利用者は計千六百人余りで大幅に増加をした。 二、ノンストップのため、通勤時間短縮効果があった。 三、利用者の半数以上の人が「今後も実施すべき」と答え好評だった。 これらを受けて、県交通局では本年三月より朝専用の通勤シャトルバスを矢上団地から宝町間に一日一便運行していると聞いております。この利用状況等についてお尋ねいたします。 (四)違法駐車対策について。 交通の流れを大きく阻害するものが違法駐車ではないでしょうか。この違法駐車を防止するためにいろいろな施策がとられています。ハード面での対策として、駐車場の整備促進を図りながら、道路上にパーキングメーター、パーキングチケットを設置しております。 また、ソフト面での対策としては、平成四年度より駐車場探しのうろつき交通に対処するため、駐車場案内システムの運用を開始をしております。 さらに、平成五年四月より長崎市違法駐車場等の防止に関する条例に基づき、重点地域を設定して、自治会、商店街、交通安全団体等で構成する駐車指導員を配置し、三十二名体制で違法駐車等の防止のために助言、啓発等の活動を行っております。しかしながら、バス停、バスベイ、大型ストアの付近を中心に違法駐車が目につきます。違法駐車の取り締まり状況と、その対策についてお尋ねいたします。 (五)時差出勤制度の導入について。 近年、高度情報化社会へと進行が一段と進む中、勤労者の労働形態の一層の柔軟な設定が求められています。しかしながら、実際には通勤、通学時間帯の一極集中が一段と進んでいます。このことが交通渋滞を一層ひどいものにしている。これを解決するために、行政、教育界、産業界で時差出勤制度フレックスタイム制度裁量労働制度などについて協議し、可能なものから積極的に導入すべきであると思います。現在、この中で地方自治体で時差出勤制度を導入、実施している都道府県として、東京都、大阪府、宮城県、福岡県、岐阜県などがあります。今後さらに広がりを見せてくるものと思います。 この制度導入効果として期待できるものとしては、一、渋滞が緩和し、通勤時間が短縮できる。(岐阜県の場合)二、出勤時間を選択できるため、出勤が楽になる。三、家事や育児の分担に役立つ。四、県民へのサービス向上に役立つことなどが考えられます。これを踏まえて、県が指導力を発揮し、長崎市などと協議し、積極的にこの制度を導入すべきと思いますが、お尋ねいたします。 (六)閉庁時の駐車場の開放について。 駐車場は、都市交通を維持していく上で必要不可欠な都市基盤施設であります。駐車場不足が駐車難、交通渋滞、交通事故及び流通業務の遅延等を発生させる一つの要因になっています。 長崎市においては、市内中心部の商業地区において駐車場法に基づく駐車場整備計画として、平成六年度六千五百台から平成十七年度八千六百台まで、駐車場の整備充実に努めているところであります。ただし、駐車場の平日と土・日曜日、祝日等の利用状況を調べてみますと、平日には市内有料駐車場でも終日空車となっておるところが多いが、逆に、土・日曜日、祝日には午前中で満車になるところが多いことがわかります。この結果、市中心部で土・日曜日、祝日の昼時間に交通渋滞が発生しています。これを解決する一つの方法が閉庁日の県庁の駐車場の開放ではないかと思いますので、お尋ねいたします。 続いて、「日蘭交流四〇〇周年記念事業」についてお尋ねいたします。 今議会冒頭の知事説明において、「日蘭交流四〇〇周年」を記念し、西暦二〇〇〇年を「ながさき阿蘭陀年」と位置づけ、本県ならではの多彩なイベントを展開していく旨の説明がありました。本県とオランダとの交流は、この場で歴史をひもとき、あえて説明をいたすまでもなく、長い積み重ねに裏打ちされた本県固有の誇るべき歴史的資産であります。 これを記念する事業に取り組まれるということを私は大変意義深いものと受けとめておりますが、この取り組みが単に歴史的な意義を讃え、古きを懐かしむだけの取り組みになってしまったのでははなはだ不十分ではないかと思うのであります。やはりこの種のイベントを開催する目的は、この記念事業で考えた場合、新たなオランダとの交流の促進や地域経済の活性化に結びつけていくところにあり、また県民各層の主体的な参加を求めていくことで、最終的には県民の郷土に対する誇りや愛着の醸成に結びつけていくべきものと私は考えております。 「日蘭交流四〇〇周年記念事業」の目的、あるいはねらいをどのように考えておられるのか、知事の基本認識について、まずお尋ねいたします。 次に、開催場所や会期、実施していくイベントのイメージなど、記念事業の全体的な概要をどのように考えているのか、お尋ねいたします。 西暦二〇〇〇年まで余すところ一年六カ月足らずであります。私は、歴史ある日蘭交流の記念イベントはこれらに見合う規模で実施し、効果を上げていく必要があるものと思います。ぜひとも前向きな取り組みを期待するところでありますが、残された準備期間は十分とは言えない状況にあります。したがって、今後どのようにこの記念事業を組み立てていこうとされているのか。また、長崎市、あるいは平戸市では既に記念事業の実施に向けた取り組みが進められていると聞いております。今後どのように県事業との整合化を図っていかれるのか、お尋ねいたします。 最後に、県道野母崎宿線の災害対策についてお尋ねいたします。 県道野母崎宿線は、この地域の唯一の生活道路であり、昭和五十七年の長崎大水害では五十七カ所が被災を受け、壊滅的な打撃を受けました。その結果、茂木地区を中心に長い間孤立をし、日常生活に重大な支障を来したわけでありますが、このときの災害の教訓が生かされず、再び、ことし六月二十二日に宮摺地区で道路が崩落し、車が通行不能になっております。これにより、宮摺町、大崎町、千々町の約三百世帯、千人の方々が日常生活に大変不便を来しております。皆さんはやり場のない怒りを覚えながらも、一日も早い復旧と、その路線の整備促進が必至の課題と考えておりますので、その対策についてお尋ねして、本壇からの質問を終わります。(拍手) ○議長(村山一正君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕中山議員の御質問にお答えいたします。 まず交通渋滞のソフト対策についてお尋ねでございますが、県内における慢性的な交通渋滞箇所は、長崎市、佐世保市、島原市、諫早市、大村市及びその周辺を中心に、最近では離島においても渋滞が見られるなど、広範囲にわたっており、その結果、議員御指摘のとおり、県民生活や産業活動に多大な支障を来しております。 このようなことから、交通渋滞の解消は県政の重要な課題であると考えております。県では「長崎県交通渋滞対策協議会」等において、バイパス等の道路ネットワークの整備、交差点や信号機の改良、バス停車帯の設置、マイカー自粛運動の推進など、ハード・ソフト両面から総合的な対策に今日まで取り組んでいるところであります。 議員御指摘のとおり、自動車の総量抑制や公共交通機関の利用促進など、ソフト面での今後の対策も重要であると考えております。今後とも議会並びに県民の皆様のお声を聞きながら、関係機関と連携を図りまして、交通渋滞の解消に積極的に取り組んでいきたいと考えております。 次に、「日蘭交流四〇〇周年記念事業」についてお尋ねでございますが、改めて申すまでもなく、本県とオランダは四百年の長きにわたる交流の歴史というものは、他に例を見ない本県が誇るべき歴史的資産であります。私はこの日蘭交流四〇〇周年という節目の年に、オランダとの交流によって育まれた長崎独自の文化や資源を再発掘して、二十一世紀における新たな交流のきっかけにするとともに、本県経済の活性化、中でも非常に観光が落ち込んでおりますので、この観光の振興に役立てていく、またとない機会ではないかと認識をいたしております。 さらにまた、この記念事業に広く県民各層の皆様に参加してもらうことによって、議員御指摘のように、長崎県民としての一体感や長崎という郷土に対する誇り、愛着を深めてもらうことにも大いに役立つものと存じます。 記念事業の概要といたしましては、西暦二〇〇〇年を「ながさき阿蘭陀年」と位置づけて、年間を通した催しにしたいと考えております。また、一過性のイベントに終わることなく、将来の交流やまちづくりにつなげる事業も積極的に検討していきたいと考えております。 開催地につきましては、オランダとゆかりが深い長崎市、平戸市を初め、オランダを題材としたテーマパークを有する長崎、佐世保市及びハウステンボス、西彼町及び長崎オランダ村を主な会場として、市民団体等の積極的な参画も得ながら実施したいと考えております。 本事業を実施していく上で最も重要なことは、関係市町等と十分に連携を取りながら進めていくことであると認識をいたしております。先行した取り組みを進めている諸機関との調整を図るためにも、関係者の考えを十分に取り入れた基本構想を策定いたしまして、八月中にも公表したいと考えております。 また、イベント等を具体的に記載した基本計画は本年度中に公表したいと考えております。 さらに、年明けにはPR活動にも入り、県民への周知徹底を図りながら、九州・山口地域を中心に、東京、大阪などの大都市からの誘客に取り組み、長崎が持つ独自性を全国にアピールしていきたいと考えておる次第でございます。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。 ○議長(村山一正君) 土木部長。 ◎土木部長(梶太郎君) まず、雪浦第二ダム建設に係る用地取得問題について、長崎市内の住民団体から住民訴訟が提起されたということであるが、その内容及びこれに対する県の考え方についてのお尋ねでございますけれども、議員御指摘のように、七月十七日に「三重の自然・環境を守る会」から長崎地方裁判所に住民訴訟が提起されたことは承知いたしております。今回の訴えの被告と報じられております、当時、大瀬戸土木事務所長でありました職員個人並びに用地買収契約の相手方である民間事業者に対しまして訴状が送達されてきておりませんので、詳細は今のところ確認できておりませんが、訴えの内容につきましては、新聞等の報道によれば、議会の議決を経ていなかったこと、また買収する必要がないのに、適正な価格より高額な対価で取得したことによる公金支出の違法性を理由といたしまして、二被告に、民間事業者がもともと取得したとされる金額四千万円と、県が民間事業者から買収した金額二億七百三十八万円との差額一億六千七百三十八万円を連帯して県に返還せよとの内容になっております。 そして、なぜ職員個人が被告となるのかというお尋ねですが、この住民訴訟は、地方自治法第二百四十二条の二第一項第四号の規定に基づくものでございまして、代位請求訴訟と呼ばれるもので、知事から権限を委任された前所長個人を被告として、住民が県にかわって提起する訴訟でございます。したがいまして、弁護士費用等はこの職員個人の負担となるものでございます。 雪浦第二ダムの建設促進を図るため懸命に努力してきた者でございまして、県としては本訴訟は、いわば前所長に対するものというよりは、実質的に県の事務処理に対する訴訟であると認識をいたしておりまして、支援の方策を検討してまいりたいというふうに考えております。なお、この件に関しまして、県議会及び関係者の方々に御迷惑をおかけし、県政に対する県民の皆様の不信を招いたことは大変申しわけなく、改めておわび申し上げます。今後このようなことがないよう、十分留意してまいりたいと存じます。 次に、主要地方道野母崎宿線の災害対策についての御質問にお答えいたします。 まず、災害の現状と今後の復旧見込みについてのお尋ねでございますけれども、主要地方道野母崎宿線の長崎市宮摺地内におきまして、梅雨前線豪雨により六月二十二日、道路が約三十メートルにわたって欠壊し、車両全面通行止めとなったため、地域住民の方々に多大な御不便をおかけてしているところでございます。 歩行者の通行につきましては、午前五時から午後十時間での間、通行可能といたしております。なお地域住民の足となっておりますバスにつきましては、反転場所の整備を済ませまして、七月十三日、始発より被災箇所を挟んでの折り返しで運行を再開いたしました。また、被災後、早急な復旧を目指しまして、現地調査、ボーリング調査等を迅速に行いまして、七月十三日には建設省に復旧工法の事前協議を済ませたところでございます。それを受けまして、七月末までには災害復旧工事の入札執行を行う予定でございます。 復旧工事を完成させるためには、工事着手後約三カ月ぐらいを要する予定でございますけれども、工事途中におきましても、その現地状況を十分把握して、軽車両からでも順次通行できるようにしたいと考えております。今後、一日も早い全面復旧に向けまして最大限の努力をしてまいる所存でございます。 次に、野母崎宿線の全体の改良計画についてのお尋ねでございますけれども、本路線の整備につきましては、昭和五十七年の長崎大水害を境に、地元の強い要望や協力もございまして、整備の促進を図ってまいりました。まず、交通不能区間の三和町藤田尾から長崎市千々まで、及び長崎市潮見から太田尾までを重点的に整備を進めてまいりました。そして平成三年十月には二カ所を同時に開通させ、野母崎町から長崎市宿町まで通行が可能になっております。引き続き、大型車の通行やすれ違いの困難な区間でございます三和町の為石地区、長崎市の千々、大崎、宮摺、飯香ノ浦、網場地区の整備に着手いたしました。このうち、千々地区と網場地区は本年度完成する予定でございます。また、本路線は地形、地質の厳しい区間が多く、大きな切盛土や橋梁、トンネルなどが必要になりまして、工事費も多額になります。また、用地につきましても字図混乱の地域が多く、ビワの特産地でもあり、用地の取得には時間を要することになるのでないかというふうに思っております。しかし、地域の利便と住民の生活を守るため、ルートや工法の選定に十分留意し、今後とも災害にも強い道路の整備に鋭意努めてまいる所存でございます。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 企画部長。 ◎企画部長(溝添一紀君) マイカー自粛運動をどのように評価しているのかというお尋ねでございます。 御指摘のマイカー自粛運動につきましては、現在、春・秋の交通安全運動とゴールデン期間中に、長崎市を中心に二市十町、ほか佐世保市等四市、佐々町、厳原町、県下で六市十二町実施いたしておりますが、朝夕の通勤時間帯における交通渋滞というものは解消していない現状にございまして、その効果はまだ十分と言えない状況にございます。 マイカー自粛運動は、マイカー通勤者公共交通機関への移行が不可欠であることから、県民お一人おひとりの意識の高揚と事業所の理解、加えて、年間を通じた取り組みがなされなければ効果が上がらないものと考えております。 県といたしましては、交通機関を初め、地元市町村及び関係機関と協議をいたしておりますが、さらに各界各層の御意見を伺いながら、マイカー自粛運動をさらに推進してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(村山一正君) 警察本部長。 ◎警察本部長(田林均君) 交通渋滞のソフト対策についてのうち、公共車両優先システムの導入についてお答え申し上げます。 公共車両優先システム(PTPS)は、次世代の交通管理システムの一環として、交通渋滞を緩和するために警察が推進をしている施策の一つであります。内容的には、議員御質問の中にあったとおりでありますが、バスに取りつけた車載機、カーナビゲーションと交通管制センターとの間で双方向通信を行いまして、バスの走行に応じた信号の制御をして、バスを優先的に通行させるというものであります。特に、本県では朝夕の交通渋滞対策として、長崎、佐世保両市にバス専用レーンを設けておりますので、これと相まって交通渋滞の緩和に一層の効果が期待できるものと思われます。 ただ、このシステムにつきましては、交通管制センターの中に一定の装置が必要であります。県警では平成九年から三カ年計画で、ドライバーと交通管制センターとの双方向通信ができる「交通情報提供システム(AMIS)」を整備中であります。御質問の「公共車両優先システム」につきましては、この「交通情報提供システム」の中央装置を使用いたしますので、その整備を待って、できれば平成十二年度ぐらいから導入をしたいという方向で検討をしているところであります。 次に、違法駐車の取り締まりと、その対策について申し上げます。 違法駐車の取り締まり状況でありますが、過去五年間で、およその数字でありますが、平成五年、六年は大体一万九千件、平成七年、八年で一万五千件、平成九年では一万四千件の取り締まりを行っております。この平成九年の駐車違反取り締まり件数は、九州八県中で三番目に高い件数であります。地域別に見ますと、長崎市内での取り締まりが多くなっておりまして、県下全体の約五割を占めております。 次に、違法駐車の対策でありますが、まず警察の取り締まりでありますが、これにつきましては、日常的に重点路線、あるいは重点地域を指定して集中的な取り締まりを行っております。特に、朝夕のラッシュ時における幹線道路、あるいは商店街付近の細い道路でありますとか、あるいはバス停留所周辺の違法駐車といったような、公共の交通を阻害するもの、あるいは迷惑性の高いものといったものを指向して取り締まりをし、また、あわせて広報、啓発活動を実施をいたしております。 また、道路交通法に基づく地域交通安全活動推進委員、それから、長崎、佐世保両市では「違法駐車防止条例」が制定されておりますが、それに基づく駐車指導員、こういった方々による交通啓発活動も実施をされまして、効果を上げているところであります。 また、交通監視カメラ、これは監視カメラのマイクを使用したものでありますけれども、これを使った駐車違反者に対する警告につきましても、今後ともより一層の活用に心がけていきたいというふうに考えております。また、あわせて短時間の駐車スペースを確保するということも必要でありますが、公安委員会、警察関係のものとしましては、パーキングメーター、パーキングチケット発給設備の設置、日曜、休日における駐車規制の解除、それから関係機関等に対する駐車場や駐車ベイの整備促進の申し入れを行うなどをいたしまして、駐車スペースの確保に努めているところであります。 以上であります。 ○議長(村山一正君) 交通局長。 ◎交通局長(前田信行君) 交通局が運行しております通勤シャトルバスの利用状況はどうなのかということでございますが、通勤シャトルバスにつきましては、平成八年度、長崎市が交通渋滞緩和策の一環として実施しました交通需要マネジメント調査において、矢上団地から長崎駅前間で二回の試行実験を行っております。その結果、時間短縮効果があり、利用者からも好評であったことから、本年三月十六日から矢上団地と市中心部を結ぶ通勤シャトルバスを平日の朝一便、運行いたしております。現在のところ、約五分の短縮効果が図られ、利用者も一日平均四十五人に達し、好評を得ております。今後とも利用実態等の推移を見守りながら、マイカーからバスへの転換が進むよう、利便性の向上に引き続き努力していきたいと存じています。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 総務部長。 ◎総務部長(森脇晴記君) 交通渋滞対策に関しまして、県庁の時差出勤制度の導入についてのお尋ねでございます。 議員御案内のとおり、社会経済情勢の変化や雇用形態の多様化などによりまして、職場出勤について時差出勤制度フレックスタイム制度などの導入がされてきております。特に、民間企業におきましては導入が進められておりますが、その場合にも業種、業態や職場環境などにより比較的導入しやすい場合もあり、また導入が難しい場合もあるようであります。地方公共団体においては導入の例は東京都、大阪府など、数団体でございますが、議員御指摘のように、マイカー通勤が多い県で導入した場合には一定の渋滞緩和効果があったということも聞いております。 本県の導入に当たりましては、通勤の実態を見ますと、現在長崎地区に勤務している職員の大部分は、バス、JRなどの公共交通機関を利用している状況でございます。また、導入に当たりましては勤務体制についてもさらに検討すべき点も多いかと存じます。いずれにいたしましても、議員の貴重な御提言でございますので、既に実施しております東京都、岐阜県、福岡県の状況などを調査し、今後研究してまいりたいと存じます。 続きまして、同じく交通渋滞対策に関しまして、閉庁日の駐車場の開放についてのお尋ねでございます。 県庁舎におきます閉庁日の一般開放につきましては、庁舎と駐車場が一体となっておりますこと、また駐車場が狭隘でございます。さらに、休日出勤の職員や庁舎に出入りいたします民間の事業者等の駐車場の確保並びに公的行事の際の駐車場利用などから、全面的な一般開放は困難と考えております。しかしながら、開放することによる県民の利便性の向上及び市街地中心部の県有地の有効活用等を考慮いたしまして、特定の区画、対象者等に限定した部分的な開放ができないものか、こういうことについて今後研究してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 中山議員-十五番。 ◆十五番(中山功君) ありがとうございました。 それでは、再質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず最初に、「日蘭交流四〇〇周年記念事業」についてお尋ねいたしたいと思います。 先ほど知事の方から一通りお答えがありましたので、考え方自体については私も理解をできますし、その中で特に、目的としては商工、観光の振興を図って経済の活性化を図っていこうということでありますから、ぜひそういう形で取り組んでほしいと思いますし、実施主体につきましても、長崎県を加えて七団体で協議しながら、八月に構想を立てて、今年度中に計画を皆さんにお示ししようということでありますから、ぜひそういう方向で進めていただきたいと思うんです。 そこで、一つだけ注文をしておきたいというふうに思うのですが、西暦二〇〇〇年を「ながさき阿蘭陀年」というふうに位置づけしておるわけです。そういう意味からして、私はこの事業、イベントは、日本中に、世界中に開かれたイベントであって、感じるイベントであって、見えるイベントにすべきではないかと、そういうふうになるのではないかと期待しておるわけでありますが、そういう中で、長崎の何を売り出すかという形になると思いますが、私は長崎は「石の文化」と「木の文化」の合流点で、ここに非常に文化がたくさんあります。芸能文化でありますとか、祭りでありますとか、そういう文化に裏付けされた人情、長崎の独特な人情、要するに「もてなしの心」ということになると思いますが、私は世界一の「もてなしの心」がこの長崎にはあるというふうに考えております。あわせて、長崎には日本一、世界一のものがたくさんありますから、こういうものを活用するとか、こういう方向で、特に、長崎の「もてなしの心」をどういうふうにこれにアピールをして、県民の総参加のイベントにしていくのか、これについて再度知事のお答えをいただきたいというふうに思います。 ○議長(村山一正君) 企画部長。 ◎企画部長(溝添一紀君) ソフト面での充実も大事だ、とりわけ人情、あるいはもてなしということについての取り組みでございます。 議員御案内のとおり、長崎県は全国でも有数の観光県でございます。また、お話にありました異国文化をいち早く取り入れた土地でもございます。長崎県民は、もともとお一人おひとりが人情に厚く、また、これまで数回にわたって博覧会を開催した実績もございます。訪問された方を温かく迎え入れることができる、いわゆる「もてなしの心」は十分持っておられるものと認識いたしております。イベント成功のかぎは、記念事業の組み立てのみならず、県民の皆様お一人おひとりの「もてなしの心」にかかっておることは議員御指摘のとおりだと思っております。 イベントの盛り上げ、あるいはその運営に一人でも多くの県民の皆様に参加してもらいまして、「もてなしの心」を最大限発揮していただくような取り組みに努め、県民すべてが実施主体であるという気持ちを持って、この事業を進めてまいりたいと思っているところでございます。 ○議長(村山一正君) 十五番。
    ◆十五番(中山功君) 今の企画部長の答弁を了といたしますが、これは要望になりますが、この事業を通じて「世界に開かれた長崎県」、「感じる長崎県」、「見える長崎県」に特に努力していただきますように要望をしておきたいというふうに思います。 次に、閉庁時の駐車場の開放についてお尋ねいたしますが、先ほど総務部長から全面的には無理だけれども、一部については検討していこうということでありましたので、今、この県庁内に駐車場が百四台分ありますね。特に、この中には議員専用も十五台分あるわけです。議員というのは日曜、祭日は出勤しませんから、こういうものを含めてひとつ開放に努力していただきたいということとあわせて、平成八年六月に、九州通商産業局から、要するに駐車場の休日開放については依頼がきています。これは商店街の活性化のために県庁その他の駐車場を開放してほしいという要望がきていますので、これは要望にとどめますけれども、今年度中に、これを部分的に、何台できるかわかりませんが、開放に向けて最大限に努力していただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。 次に、公共車両優先システムにつきましては、今、警察本部長の方からお話がありましたように、これは次世代の車を管理していくというか、それも一つのシステムになると思いますが、平成十二年度ごろを目途にやっていくということでありますから、実はこの効果は、もう一つはバス専用レーンの中に一般車が入り込むものを警告することもできるんです。そういう形でバス専用レーンを、流れをスムーズにするという意味からも必要でありますから、ぜひ平成十二年度を目途に導入に努力していただきますことを重ねてお願いをしておきたいというように思います。 それと違法駐車についてでございますけれども、違法駐車についても今、警察本部長の方から年間一万九千台から一万五千台ぐらいの駐車違反があると。九州で長崎は三番目に多くて、そして長崎市内がその半数以上だということでありまして、今後、積極的にさらに取り組んでいこうという話がございましたので、答弁自体は了といたします。 その中で、長崎市の主要交差点三十五カ所中に、今言ったように交通量の監視カメラを設置しておるわけですね。そして、これは県警の交通管制センターの方からマイクを通じて警告できるようになっていますから、今までは余り活用はしてなかったというように思いますので、ぜひこの際、特に交通渋滞の激しい朝の七時前後、そして夕方の十七時前後にぜひ活用していただくことをさらにお願いをして、要望にとどめたいというふうに思います。 次に、通勤シャトルバスについてお尋ねしますが、先ほど交通局長の方からおおむね時間が五分短縮できたという話があったし、乗車人員が大体四十名程度乗っていますよね。大体好評であるという形でありますので、これは公共交通機関の充実と利用促進の一環じゃないかと思うんです。ぜひ、そういうものを含んで、この問題についても取り組んでいただきたいというように思いますが、ここで御質問したいと思いますのは、このほかにルートとしては、これは東の方からですから、南の方から深堀、南柳田、ここから駅前方向、それと滑石とか、時津から西山のトンネルを通って馬町の電車の起点まで、また三重から式見を通って、茂里町の電車の交差点まで、こういうルートが私は考えられるのではないかと思います。これについて今後検討する用意があるのかどうか、調査していく用意があるのか、これについてお尋ねしたいというふうに思います。 ○議長(村山一正君) 企画部長。 ◎企画部長(溝添一紀君) 通勤シャトルバスの導入についてのお尋ねでございます。 公共交通機関の利用いかんによって通勤時間の短縮効果が十分に図られるという御指摘でございます。御提案の深堀、南柳田経由長崎駅前、あるいは三重から式見を経由して茂里町間に至る経路、さらには滑石、時津から西山トンネルを抜けて、馬町間にシャトルバスを導入したらいかがかということでございます。 今御案内申し上げた三路線につきましては、長崎自動車株式会社と県交通局がそれぞれ営業エリアを分け合って運行しているところでございます。それぞれのルートにつきまして、時間短縮効果、あるいは乗車効率、他事業者エリアへの相互乗り入れ等の問題につきまして、今後、運行事業者及び関係機関ともに研究してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(村山一正君) 十五番。 ◆十五番(中山功君) これは長崎バスですからちょっと難しい部分もあると思いますが、ぜひ、これも含めた公共交通機関の利用促進という意味からして、いろいろなアイデアを出して、そういうことで一層努力していただくことをお願いをしておきたいというふうに思います。 次に、時差出勤について総務部長と教育長にお尋ねいたします。 総務部長の方から消極的な答弁がありましたけれども、その中で岐阜県とか、福岡県、先進地を調査をして研究していきたいというふうな話がありました。この時差出勤については私は時代の趨勢であって、これはいずれかの時期には導入すべきものというふうに考えておるわけです。そういう意味からして、これを一挙に来年度からというのは非常に難しいというように考えておりますので、私はこの利点につきましては、先ほど本壇から申し上げましたとおり、それが特に県民サービスに非常に寄与できるのではないかという気がしているんです。というのは、出勤時間が九時からと十時からにした場合、それぞれ五時からと六時からになりますから、今度県民相談所をつくるようになっていますね、そうすると、勤務時間が五時にあがってから、その間六時までの間に皆さんが相談に来る可能性も十分あるんです。そういった意味からして、これは私は研究を一歩進めて、やはりテスト的に実施をしてもらいたい。というのは、マイカー自粛の運動期間中にぜひテスト的にやれないかなと思いますので、それについて再度総務部長のお答えをいただきたいというふうに思います。 それと教育長にお尋ねいたしますが、世界中の始業時間を調べてみたんですけれども、ちょっと報告しておきたいと思いますが、日本の場合は大体八時三十五分から十五時三十五分という形になっていますが、イギリスは小学校が八時五十五分から始まっておりますし、中学校も八時五十分から、そしてニュージーランドは八時五十五分から十五時、それとカナダのケベック州も八時十五分から十六時と、アメリカが八時半から十五時と、日本と同じなんですね。それと、要するに私が言いたいのは、一番交通渋滞の激しいときに小学生、中学生、高校生が通っている。これが果していいのかどうかという部分を一番懸念しているわけです。そして、私は一つは、通学に関する実態調査をしてほしいと思うんです。その理由として、市内の在籍の教職員の交通手段を調べてみましたけれども、市内に学校の先生が二千七百九十九人、約二千八百人おります。そのうち二千百三十七人がマイカーを利用しておるんです、七六・三%と多いなあと思います、こういう理由とか。高校生が市内に一万八千人ちょっとおりますけれども、野母崎から市内の高校に通うのに非常に通学に時間を要しているわけです。ほとんど一時間を超えるような通学を生徒が負担しているわけです。こういう問題の実態であるとか、それと私が一番心配するのは、小学生、中学生が市内に約四万四千人おります。児童生徒は全部徒歩で学校に通っているのですが、今幹線道路が渋滞するものですから、横道、生活道路に車がどんどん入ってきて、車と対面交差です。そういう形で非常に危険な状況にありますので、これについて、通学に対する実態調査をまずしてもらいたいというふうに考えておりますが、これについていかがでしょうか、御質問いたします。 ○議長(村山一正君) 総務部長。 ◎総務部長(森脇晴記君) 職員の時差出勤の導入についての再度のお尋ねでございます。 議員御指摘のように、時差出勤、あるいはフレックスタイム制度というのが時代の趨勢であるということは認識しております。特に、先ほども申し上げましたように、民間企業においてはかなりな部分そういう動きが実際あっていて、そして導入をされているということでございますが、その場合にも、民間企業の中においてもどういう事業をやっているか、業種、業態、あるいは勤務体制というようなものを見ながら、その中で導入しやすい場合もある、また難しい場合もあるという現状がございます。 先ほど申し上げましたように、地方公共団体におきましては全国で七県ほど導入している実態がございます。そのうち一つの例として、岐阜県のように、確かにマイカー通勤が多い県では渋滞対策ということで一定の効果はあるというふうに聞いておりますが、本県の場合、例えば本庁でいいますと、その九四%は公共交通機関、または徒歩で県庁に来ているという状況でございます。ですから、こういう状況を見ながら、片一方で、これを導入した場合に現在の職員の体制でいいのか、あるいは職員の数を増やす必要があるのか、減らす必要があるのか、今の御時世、なかなか増やすということは難しいわけでありますから、そういう中での勤務体制ということも十分検討した上での導入ということになろうかと思います。そういう意味で、先進県七県ございますが、そういうところの実態も十分見ながら、今後研究してまいりたいと考えております。 ○議長(村山一正君) 教育長。 ◎教育長(出口啓二郎君) 小・中学校について時差登校を考えられないかというお尋ねでありますが、交通渋滞を抱える都市部の小・中学校においては、議員御指摘のとおり、ほとんどの児童生徒が徒歩通学をしており、またその通学路もできるだけ幹線道路を避けて設定されているのが現状でございます。 また高等学校におきましては、多くの学校で早朝の学習や部活動等が行われており、実質的には時差登校がなされているのではないかというふうに思っております。 なお、学校の日課は、児童生徒の発達段階や生活のリズムなど、さまざまな要因のバランスを考慮して現行の時間配分が定着をしています。また、日課を変更するとなると、学校生活に無理が生じるばかりでなく、児童生徒の食事や睡眠にかかわる健康上の問題、登校の準備等、家庭生活に影響を及ぼすことなども予想されます。このように、学校の始業時間を変更することは、学校教育活動の基本や家庭にかかわる課題が多いことから、御意見の趣旨も踏まえながら、今後の研究課題とさせていただきたいというふうに存じます。 また、教職員のマイカー通勤につきましては、公共交通機関の利用の便や教職員が通勤する際に教材を持って通勤することが多いこと、あるいは部活動の指導等で遅くなるなど、必要性に迫られたものも多いためではないかと思っております。しかしながら、交通渋滞の緩和及び通勤途上の交通事故の防止の面からすれば、特に都市部の学校については、努めてマイカー通勤を自粛して公共交通機関の利用を図るべきと考えており、これまでも機会をとらえてマイカーの通勤自粛の指導を行っております。今後とも、議員の御指摘も踏まえながら、指導してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 十五番。 ◆十五番(中山功君) ひとつ、ぜひ努力してほしいと思いますが、一つだけ総務部長に指摘しておきたいと思いますが、県庁舎の本庁にマイカー利用者が非常に少ないと、九四・六%はバス、その他というお話がありましたけれども、これは非常に勘違いしちゃ困りますよ。このほかに長崎県の職員はこちらにどれだけおりますか。土木事務所、そこの関連ありましょう。そう言うなら、長崎市内の職員がどれだけおって、どうだということを言っていただかぬと、ただ県庁だけの問題を取り上げてもらっては非常に不愉快です。ぜひそういう観点でとらえていただくことを注文をつけておきたいというふうに思います。 それと、最初にお話をしておりました、雪浦第二ダム建設の用地に関して質問をしたいというふうに思いますが、先ほどの部長の答弁で私がびっくりしたのは、やはり一生懸命業務でやっておる職員個人が訴訟を受けると、そしてまた弁護士費用は個人がそれを負担をしなければいかぬということは、やはりこれは今後あってはいけませんし、職員自体の士気に大きな影響があると思うんです。ぜひ、これについてはひとつ改善策を努力してほしいと思いますし、また、今回のように議会の付議事件がこういう形で問題になることは、やはり何か新しいシステムというか、チェックする方法も要るのではないかと思いますから、これについてお尋ねしたいというふうに思います。 ○議長(村山一正君) 土木部長。 ◎土木部長(梶太郎君) 今回の件にかんがみまして、新たなチェックシステムが必要なのではというふうな御指摘でございますけれども、確かに議員御指摘のように、県といたしましても再発防止のために用地事務取扱要領の見直しを行いまして、例えば一定基準以上の財産取得につきましては、本庁と必ず事前協議をするといった制度の改善等を図るとともに、また、土木事務所長への権限委任のあり方についても所管部と協議してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 十五番。 ◆十五番(中山功君) 最後になりましたけれども、この交通渋滞のソフト面については、知事の方から冒頭、積極的に取り組んでいこうというお話がありました。ぜひ、私はこの際、仮称「長崎県総合交通渋滞対策協議会」を設置して、従来の関係者のほかに、利用者でありますとか、有識者を入れて取り組んでいただきたい。そして、例えばマイカー自粛運動期間中に時差出勤であるとか、違法駐車の取り締まりとか、通勤シャトルバスとか、シャトルボートとか、マイカーの相乗りとか、公共交通機関の利用促進とか、こういうものを含めて、ひとつ総合的に実施していただきたいというふうに考えておりますが、この実施について考えがありましたらお答えいただきたいというふうに思います。 ○議長(村山一正君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 議員お尋ねの交通渋滞問題につきましては、現在五つの協議会が設置されておりまして、「長崎県交通渋滞対策協議会」、「長崎都市圏交通問題協議会」、「長崎市道路交通対策協議会」、「長崎県駐車場対策協議会」、「ゴールデンウィーク交通対策実行委員会」等が設置されまして、それぞれ建設省、県、県警本部、長崎市と役割を分担しながら、ハード、ソフト両面の施策を推進しているところでございます。御提案の協議会の設置につきましては、ソフト面での施策の一元化につきまして、今後関係機関とも意向を聞きながら図っていきたいと思っております。 ○議長(村山一正君) 関連質問に入ります。三十一番。     〔関連質問〕 ◆三十一番(末永美喜君) 中山議員の産廃提訴の問題について総務部長にお尋ねいたします。 総務部長、今回第六十五号議案が出てきております、この議案は土木部長から直に金子知事にいった、そして金子知事名で議会に提出された議案とは、そういう経路で通ってきているとは私は思いません。やはり総務部長なり、それぞれの所管のところを経て、決裁を経て、知事名で議会に提出されたものと私は理解しております。そういう観点から総務部長に質問いたしますけれども、まず第一点、先ほど土木部長から御答弁いただきました。これは一土木部でできる問題ではありません。今、一生懸命、土木部は、本当に涙ぐましい努力をやってこの問題の収拾策を考えておりますが、これは全庁的な問題です。農業、土木もあるでしょう、あるいは経済部の関連もあるでしょう。この用地基金というもののあり方をこの際抜本的に検討して今度の委員会までには出すと、骨子を出すと、成案ができなくても骨子は出すというぐらいの協議を全庁的に行うべきだと私は思っております。と同時に、この議案として提出されたもの、過去においてもあったと思います、そして、土木部関連で言いますと、土木部で検討して議案として出すと、普通ならば、今回の産廃問題でも県の最高幹部の中で交渉経過に携わっておれば、通常だったら、これは専決処分か、議案として出すべきだと考えるのが普通だと思うんです。それが議案として出なかった。自分のところも通らなかった、そこに不思議だなと。土木部の意見では自分たちが一生懸命考えて、そして結論を出して議会に諮らなかったんですと言いますが、議案を、普通だったら、七千万円を超す、二万平方メートルを超すという形のこと、そのことを知っておれば、総務部長でも、あるいはその上の幹部の方でも、なぜ議案として出てこないのか、専決処分として出てこないのかと思うのが普通なんです。それを知っていて黙っていたというのは、これは同罪です。知らなくて、いや、ど忘れていたということもあります。「不作為のとが」というのがありますよ。これは土木部長から直接知事にいく問題じゃない。その間のことを私は問いたいんです。きょう返事は要りませんが、そのことも含めて、土木委員会で皆さん方が、県庁として、土木部じゃないですよ、県庁としてどういう考えを持っているのか、どう対応してきたのか、このことが明らかにならないと、今私たち議会ではその同意を求められている第六十五号議案、一般のちまたでは議会はばかにされているんだなと、ばかにされた議会が、それをまた同意するのかという声もあるんですよ。どうですか、先ほどの用地基金の問題も含めて、今度の土木委員会までにそれなりの結論めいたものを出せるという努力をするかどうか、総務部長、御答弁いただきたいと思います。 ○議長(村山一正君) 総務部長。 ◎総務部長(森脇晴記君) 今回の雪浦第二ダム建設の件につきましては、こういう事態を招きまして、議会並びに県民の皆様方に大変御迷惑をかけていることにつきましては、改めておわび申し上げたいと思います。 その上で、末永議員御指摘の用地基金のあり方、並びに議会に対する議案の上程のあり方についての御質問でございますが、この点につきましては、先ほど土木部長も答弁いたしましたが、県におきます用地取得取扱事務要領の見直し、この中での検討の中には当然用地基金の検討と、どういうふうに用地基金を今後活用していくかと、そして活用の方法はどういうふうにするかということも含めながら検討いたしたいと考えております。また、権限委任の関係につきましても、土木事務所長への権限委任のあり方についての見直しということも同時に申し上げましたが、これにつきましては、権限委任ということになりますと、土木事務所長のどういう問題があるかということも十分研究しながらやっていかなくちゃいかぬと思いますので、また、この見直しについて遺漏がないように十分協議しながらやってまいりたいと考えております。 ○議長(村山一正君) 三十番。     〔関連質問〕 ◆三十番(八江利春君) 同僚中山議員の「日蘭交流四〇〇周年記念事業」の一環について、関連してお尋ねいたしたいと思います。 聞くところによりますと、両国の親善といいますか、交流をより深く、そしてまた歴史的な背景を考えながらこの記念事業を進めていくということをお聞きいたしております。特にオランダ王室の美術展、そしてまた日本の皇室の美術展を両国相互乗り入れをして実施をするということであります。特に、日本で開催される予定地が、東京、京都、あるいは群馬という三カ所で計画がなされておるように聞いております。そこで、知事からいろいろ御説明もあっておりましたが、今回のこの記念事業の中で、ちょうど二〇〇〇年の出発のときでもあります。そこで、長崎県でオランダ王室美術展の開催をすることができないか、これは一つの大きな目玉として実施することが必要ではないかと私は思いますけれども、このことにつきましていかがお考えなのか。あるいは、そういうことはこれからだと思いますけれども、進めていかれる考えがないかどうか、お尋ねしておきたいと思います。 ○議長(村山一正君) 企画部長。 ◎企画部長(溝添一紀君) お尋ねの日蘭交流四〇〇周年の国レベルと申しますか、外務省を通じてのお互い乗り入れての主な事業が幾つかございます。その中に議員御指摘の行事も入っております。これをぜひ長崎でやらせていただきたいということで、既に事務的に折衝は始めております。サッカーでございますとか、あるいは今おっしゃられた王室のものとか、有名な音楽とか、幾つかのビッグなものがございますので、その中の幾つかは長崎でしていただきたいということで、実現に向けて努めているところでございます。 ○議長(村山一正君) 三十番。 ◆三十番(八江利春君) きょうは一つのことをとらえて申し上げておりますけれども、聞くところでは、四カ所目で長崎県が積極的に手を挙げていただければ開催は可能だというお話も聞いております。ですから、私がお尋ねして、何とか積極的に、特に、長崎とオランダというのは全国の各都道府県よりもより近いといいますか、より親しい国ではないかと思っておりますし、一つの目玉的な行事としてより積極的に取り組むべきだと思いますけれども、知事のお考えはいかがでしょうか。 ○議長(村山一正君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 王室コレクションの件だと思いますが、いろいろと経費の問題等もございまして、今いろいろと検討させていただいております。仮に全国で四カ所開催するとした場合、一カ所あたりどれぐらいの経費がかかるのか、その経費を払って、そしてそれだけのイベント効果があるのか、そういったものも含めて、現在検討させていただいております。 ○議長(村山一正君) 松島議員-一番。 ◆一番(松島世佳君) (拍手)〔登壇〕改革21の松島世佳でございます。 十四番目の登壇者ということで一部重複するところがあるかと思いますが、御了解いただきたいと思います。 まず、知事の所信についてであります。 知事は、県政を進めるに当たり、県民に「開かれた県政、見える県政、感じる県政」を県政運営の基本姿勢として、「誠実、清潔」を信条に、公平で公正な県民本位の県政の推進に努め、「誇りと愛着のもてる住み良い長崎県づくり」、「活力にあふれる長崎県づくり」、「いたわりと温もりのある長崎県づくり」、「人づくり日本一の長崎県づくり」を進めていかれるという中で、知事公舎の開放、情報公開の徹底、「政策審議室」、「政策創造会議」等を打ち出しておられます。また、今議会冒頭の所信表明において、知事は我が国の厳しい現状と経済システム全般にわたる改革の必要性について言及をなされました。私は、現下の国の厳しい経済社会情勢の背景には、経済活動のグローバル化や環境問題の深刻化などの地球規模の課題が重くのしかかっていることは当然としながらも、やはり、より深刻な問題は、政治、経済の全般にわたる昨今の混迷に大きく影響を受けているのではないかと存じます。 経済の混迷に至っては、バブル崩壊後の対応の遅れ、住専処理に始まり、経済政策のもたつきから出てきた金融不安など、我が国経済に大きなこういう問題が影を落としております。特に、昨年四月の消費税率引き上げ、その後の個人消費の低迷、企業の設備投資意欲の頭打ち、アジア経済の混乱による輸出の伸びの鈍化などにより、景気は一層停滞をし、厳しさを増す中、北海道拓殖銀行の経営破綻、山一証券の自主廃業、金融機関の貸し渋り、膨大な不良債権処理の遅れなどによる金融システム全体に対する不信感がつのり、さらに景気の足かせになり、平成不況というべき状況が長く続いております。 一方で、不況の中で進められた、昨年十一月に成立した財政構造改革法で目指した、二〇〇三年までに国・地方の財政赤字を国内総生産比三%以下とする財政健全化施策は、この長引く景気低迷に拍車をかけたため、その目標年次を二年延長するという政策転換を余儀なくされました。本年四月二十四日には、国内需要の喚起を図るため、社会資本の整備と減税による思い切った内需拡大策を講ずる、総額十六兆六千五百億円を超える過去最大級の「総合経済対策」が打ち出されたところであります。しかしながら、長引く景気の低迷と雇用不安の拡大の中で、国民の各層に先行きの見えない不透明感と不安感、何かしらの閉塞感、そのようなものを抱かせるような昨今の時代認識を植えつけ、今またそれがなかなかぬぐいされない現状であります。 バブルの絶頂期には一・四〇を記録した求人倍率も、現在では〇・五五であり、また株価も四万円にも届こうかとしていたものが、現在は一万六千円台と低迷をいたしております。 こうした長期にわたる景気の低迷と、暗く重い閉塞感を漂わせた現在の最大の責任は、政治にあるものと思います。深刻な経済危機に対する認識の甘さや、後手後手に回る経済対策には、国の内外から厳しい批判が相次ぐ中、国民の政治不信、政治離れが言われる中で、先日の参議院議員選挙においては、適切な対応を打てない、対策を打てない政権に対して、久しぶりに前回投票率四四・五%を大きく上回る五八%を超える関心が集まり、厳しい国民の審判が下されたことはまことに皮肉な結果であると言わざるを得ません。 翻って、我が県の経済情勢は、企業の倒産状況によると、ことしになって負債総額は三カ月で連続三十億円を超え、また、昨年度一年間の倒産件数も百四十一件、負債総額約三百二十六億円と、前年度の二・四倍にもなるという異常な状況が続いております。さらに、この四月の倒産件数は前年同月比で二倍の二十二件、負債総額は同じく二・五倍の六十億円に上り、一九七〇年以降では過去最高額となるなど、企業を取り巻く環境は非常に厳しいものがあります。 そこで知事にお尋ねをいたします。知事は、最近の我が国を取り巻く政治、経済の潮流をどのように認識しておられるのか。また、円安、株価の低迷など、いまだ先の見えない不況感の中で、本県としてどのような展望を持って県政を進めていかれるのか、雇用対策をも含めて、いかなる経済対策を進めようとしているのか、お尋ねをいたします。 次に、行財政改革と地方分権であります。 国と地方を合わせた財政赤字の累積額、いわゆる借金は平成十年度末には五百二十九兆円余りに達し、国内総生産(GDP)五百二十兆円を超えることが明らかになっております。これは、家庭でいえば年収を上回る借金を抱え込むことになるわけであります。そのうち、国だけの累積赤字の国内総生産に対する比率でいっても約七五%にも上り、これはアメリカ、イギリス、ドイツ等の欧米諸国と比べてみても赤字の比率は極めて高く、財政危機は非常に厳しさを増している状況であります。 このような中で、政府は現在、二十二府省庁を、内閣府、総務省など一府十二省庁に整理・統合する中央省庁再編案を決定し、早ければ二〇〇一年までに新体制への移行を目指している。内閣機能の強化と省庁削減を二大眼目とするこの再編案は、最終的には大きく後退し、やや期待を裏切る形になったが、国家公務員の定員削減など、国の行政改革は新たな段階に入ったといえます。 このような国の取り組みがなされている中、我が県においても状況は同じではなかろうかと考えております。本県の県債残高は、平成九年度末で八千四百億円にも上り、平成十度には九千百億円に上ろうとしております。今後ますます積極的な行政改革、財政改革の推進が必要であると考えておりますが、知事におかれては、現在の推進状況、今後の対応も含め、どのような認識をお持ちであるか、お尋ねをいたします。 次に、地方分権でございます。 政府は、地方分権推進委員会の四次にわたる勧告を最大限尊重しながら、去る五月二十九日、地方自治の抜本的改革を目指す「地方分権推進計画」を閣議決定したところであります。国と地方のあり方を地方自治の本旨を基本とする対等・協力の関係に転換するために、機関委任事務制度を廃止するとともに、国が地方に対して行うさまざまな個別の関与について、百十九件の廃止と三百八十七件の縮減を明示、また、行政組織の効率化を進める観点から、七十五項目にわたる必置規制の見直しなどが織り込まれております。国税の地方税への移転など分権化に伴う地方財源の強化の点等、まだまだ残された課題も多いが、今後は地方分権の受け皿づくりとして、市町村合併もにらんだ市町村の体制強化など、真剣に取り組まなければならない時期にきているのではないか。 そこで、地方分権が実行段階に入った今、県として真に分権実現に向けてどのように取り組んでいかれるのか、基本的な考え方をお尋ねいたします。 次に、高度情報化社会でございます。 工業化社会の終焉と情報化社会への推進について。 二十一世紀を間近に控え、全世界における情報化の大きな潮流の中で、社会、経済活動が大きく変化してきております。特に、マルチメディア関連技術の進展と情報通信のネットワーク化により、企業活動はもとより、個々人の生活様式も大きく変わろうとしております。 情報化社会と言われて久しく、政府はもとより、地方自治体においても各種の施策が推進されているが、我が国における情報化は、企業等の個別的対応の段階から国全体の新たな社会資本として、各分野で有機的に進めていかなければならない段階にきていると考えます。 本県は、半島やしまを抱え、自然的、歴史的、社会的条件において多様な個性を持っております。情報化はこうした地域が潜在的に持っている魅力を顕在化させるとともに、新たな魅力を付加することにより、経済面や生活面の諸条件を向上させ、地域の振興に大きく寄与する効果を有するものであります。 光ファイバー網等の高度な情報基盤を整備し、地域から直接情報の受発信を可能にすることにより、僻地や離島においても企業立地や情報、文化活動の面においても大都市に劣らない環境を提供できる可能性もあります。また、ケーブルテレビやインターネット等のメディアを活用することにより、行政サービス等の充実や緊急時の連絡体制の確保等を図るとともに、住民生活の利便性を向上させ、住みよい地域社会をつくり出す効果もあります。 このように、地域の情報化は、地域が抱えるさまざまな課題を効率的、かつ効果的に克服し、魅力ある地域をつくるための重要な政策手段の一つであると考えます。県においては、このような情報化による地域振興への取り組みの基本的な指針として、平成十年三月に「地域情報化構想」を策定しているが、今後具体化していかなければ、構想策定の意味がなくなるのではないかと危惧するところであります。ついては、県として地域の情報化の推進についてどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。 産業基盤としての情報化をどのように考えるか。 産業経済のソフト化、サービス化の進展に伴い、産業活動に占める情報の経済価値が高まっております。付加価値の源泉が製造活動から知的生産活動へウエートを移しつつあり、コンピューターネットワークの活用が急速に進み、今まさに工業化社会から情報化社会への大きな転換期にあると言えると存じます。情報通信技術を活用した生産、流通プロセスの変革を通じて、産業構造をより生産性と付加価値の高いものへと移行させることが期待されております。 例えば、県内の大手の小売りチェーンでは、全店舗を衛星通信を活用したネットワークを結び、商品販売状況を迅速に仕入れに反映させ、電子取引による受発注を行うことによりペーパーレス化を推進しております。こうした情報通信システムの活用により、適切な数量の売れ筋商品を陳列し、コストを削減することにより、企業の収益性の向上のみならず、環境対策にも寄与している事例も見られているところであります。 また情報通信分野は、マルチメディアやインターネット関連のニュービジネスの創出を初め、創造的な二十一世紀のリーディング産業として発展することが期待されております。情報関連ビジネスは、地理的要因や企業規模に制約されずに、地域から全国、さらには世界までを対象とした事業展開の可能性を有しており、その展開に当たっては企業の創造性の発揮によるところが大きいので、ベンチャー企業もその担い手に十分なり得ると考えられる。こうした意味で、特に離島、半島地域を抱える当県の企業にとっては、立地の不利を克服するツールとして情報通信技術の活用は不可欠であり、新しい産業の創出のためにも積極的な情報化の推進への取り組みが重要であると考えられる。県内の中小企業の情報化促進は、自助努力が基本であるとしても、産業構造の変化に適切に対応し、活力ある産業基盤づくりのため、中小企業の情報化支援にどのように取り組むのか、お尋ねをいたします。 次に、「がまだす計画」についてでございます。 民間と行政が一体となってつくり上げた「がまだす計画」が策定されてから一年が経過し、計画に位置づけられたさまざまなプロジェクトが今随時動き出しているわけであるが、その中で、まず「緑のダイヤモンド計画」についてお尋ねをしたい。 国立公園雲仙の総合整備を目的とした「緑のダイヤモンド計画事業」については、「がまだす計画」の重点プロジェクトの一つとして、その実現を図ることは島原半島全体の復興を図る上で極めて有意義と考えております。本年四月には、国において事業の全体像を示す基本的な計画が策定され、その計画により、自然環境保全修復事業や雲仙岳、「平成新山」及び田代原地区における自然体験フィールド整備事業、雲仙温泉、田代原地区及び南雲仙地区における利用拠点整備事業、雲仙温泉及び南雲仙地区における利用誘導拠点整備事業等々、今回の火山活動により荒廃した自然環境の修復を図るとともに、新たに生まれた貴重な火山景観を含め、島原半島が有する多様な資源を十分に生かした自然との触れ合いの場をつくり出していくという、そういう施設の整備が進んでいくことに地元としては大きな期待を寄せているところであります。 また、昨年十二月議会でお尋ねをした、別所のおしどりの池においては、早速、園地や歩道の整備が行われるやに聞いており、大変感謝しているところでもあります。 また、「緑のダイヤモンド計画事業」により整備されていくさまざまな施設についても、さらにその有効活用を図るために、単なる個々の拠点施設やその周辺の整備にとどまるのではなく、いろいろな利用形態に対応していくための各施設間のネットワークであるとか、自然や地域の体験をより深みのあるものにしていくための情報ネットワーク、さらには公園づくり、その他に、地域の人々の参加を可能にしていくための人・組織のネットワークあたりの整備を進めることが重要になってくるのではないかと考えております。 そこで、このような深く自然を体験してもらうための農業、漁業等を巻き込んだ形のアグリツーリズム、あるいはグリーンツーリズム等のソフト面での対応について、どのようにお考えか、お尋ねをいたします。 最後に、広域的な観光ルートの開発、整備についてであります。 平成九年度は、東京のディズニーランドの入場者数が前年度比四%程度減って千六百七十万人になったと報じられ、またハウステンボスでも四百十三万人と、三%程度落ち込んでおります。景気低迷による国内旅行の不振や悪天候、アジア経済の急激な落ち込みなど、いろいろな要素が考えられるが、翻って、島原半島の観光客の動向はどうかといえば、平成九年は前年に比較して、島原市で〇・三%の減少、雲仙を抱える小浜町では一〇・七%の減少となっております。このような中で、災害前より落ち込んでいる観光の復興、振興のために、今、島原半島では、例えば第三セクターによる道の駅「みずなし本陣ふかえ」、それと隣接する「土石流災害遺構保存公園」など、来年春のオープンに向けて集客が大いに期待される施設の整備が進んでいるとともに、今回の災害を後世に伝えていくことを目的に、多くの来訪者を集め、結果として観光客などの交流人口の増加、地域経済の活性化につなげようという、「周遊・滞在型」観光の拠点施設としての「雲仙岳災害記念館(仮称)」も平成十四年度にはオープンするやに聞いております。 先ほど申し上げた「緑のダイヤモンド計画」での施設整備を含め、「がまだす計画」の各事業がこのように次々に実施に移されていく一方で、半島内の交通ネットワークの整備と連携した、それぞれの特性を生かした拠点施設整備を含む観光地づくりや、その商品化を目指す新たな広域観光ルート形成に向けて、今後は地元も含め、もっと本格的に取り組む必要があるのではないか。この広域的な観光ルートについては、国において去る三月にまとめられた「新全国総合開発計画」の中で、さらにアジアにまで目を向けた、諸外国の人々との交流を深める意味での国際的な観光地としての環境整備と、周遊型の広域観光ルートの整備推進についてうたわれているところであります。 そういう意味では、島原半島は、昔から自然と歴史に彩られた、当時、外国人が認めた保養地としての、また国立公園指定第一号の地としての潜在能力、さらには日本で一番新しい山「平成新山」といった新たな観光資源などを備えており、新全総でいうところの国際的観光地としての可能性を秘めているのでないかと考えます。 十二月本会議でも申し上げましたが、長崎の持つ観光資源、テーマパークとしてのハウステンボス、そして歴史、文化のまち長崎、そして自然と歴史の島原と、この三角の国際観光ルートの立ち上げを一刻も早くお願いをしたい、こんなふうに考えておりますが、県におかれては、今後どのように取り組んでいかれるか、お尋ねをいたします。 以上、本壇からの質問を終わります。 御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(村山一正君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕松島議員の御質問にお答えいたします。 最近の我が国を取り巻く政治、経済の潮流をどのように認識し、どのように打開していくべきと考えているかと、また、本県としてはどのような展望を持って県政を進めていくかということと、雇用対策についてお尋ねでございますが、戦後の経済、社会を支えてきたさまざまなシステムは、我が国に驚異的な発展と経済的な豊さをもたらしました。その意味では、私はこれらのシステムを高く評価しているところであります。しかしながら、今日、国・地方を問わず、さまざまな制度疲労によるひずみが生じており、新しい時代に対応する社会経済システムの再構築が急務となっております。現在、国を挙げて取り組みが進められている行財政改革、あるいは規制緩和などの大きな潮流も、我が国が国際社会の中で生き延びていくためにはどうしても解決していかなければならない重要な課題であると考えます。また地方においても、個々の自治体の間で厳しい競争関係が生じ、市町村合併を初めとする広域行政の必要性が叫ばれるなど、地方の自立を求める声がますます高まってきております。このように、私たちは今、政治、経済、行政のあらゆる面において、いわゆる過渡期を経験しているところであり、国を挙げてこれらの課題解決に取り組み、この困難な時代を乗り越えていく必要があるものと考えております。 そのためには、まず経済社会の現状を正しく認識し、課題の先送りや場当たり的な対応をすることなく、できるだけ多くの県民と率直な意見交換やオープンな論議を重ね、県民の意見や創意を施策に反映させながら県政を進めていくことが肝要ではないかと考えております。私はその先頭に立って努力を傾注したいと考えておる次第であります。 なお、雇用対策についてお尋ねでございますが、県といたしましては、現在実施している経済対策が効果を奏することを期待しつつ、雇用面からは雇用保険制度の適切な運用により失業者の生活の安定を図り、国の緊急雇用開発プログラムと相まって、積極的な雇用対策を講じてまいります。 具体的な例を挙げますと、まずは求職者に対しましてきめ細やかな職業相談、職業紹介を着実に実施するとともに、必要に応じて職業訓練の受講を指導するなど、再就職の促進にも努めてまいりたいと思います。さらに、六月十八日から拡充された各種雇用助成制度や、七月十日から県下全域で利用が可能となった地域雇用開発助成制度などについても、積極的に広報周知とその活用を図ってまいりたいと考えております。これらの施策を通じて失業の予防、雇用機会の創出、確保、再就職の促進に努め、雇用の拡大、安定を図ってまいりたいと考えておる次第であります。 次に、行財政改革についての進捗状況と今後の認識についてお尋ねでありますが、本県では昭和五十年以降、独自の行財政改革に取り組んでおり、特に、昭和六十年に「長崎県行財政改革大綱」を策定し、積極的な行財政改革に努めてまいりました。その後、社会情勢は少子・高齢化、情報化、国際化の進展、生活の質の向上など、さまざまな面で大きく変化し、さらに地方分権の流れの中で複雑・多様化する行政需要に的確に対応するため、平成七年十一月に「長崎県新行政システム推進基本計画」を策定いたしました。この計画では、スクラップ・アンド・ビルドの考えを基本にして、県政の総点検を進め、限られた財源と人材の効果的、重点的な配分を通して、県民の新たな行政需要に効果的に対応できる柔軟な行政運営体制の整備、充実に取り組むことといたしているところであります。 既に、平成八年四月には、経済部と労働部を統合して「商工労働部」へ再編し、平成九年四月には、保健所の再編、水産試験場の再編・統合、五島畜産技術センターの廃止などを行ったところであります。さらに、平成十年四月には、水産業改良普及所の再編・統合を行うなど、組織機構の柔軟な見直しなどに取り組んでおります。今後とも引き続き、事務事業全般にわたり、徹底した見直しと経費の節減に努めることを初めといたしまして、政策立案能力の形成や地方分権の時代に即した自治研修所研修の充実など、職員の意識改革、業務のOA化の推進など、情報収集・発信機能の強化、「政策創造会議(仮称)」の設置など、県民の立場に立った行政システムの整備、時代の要請に合った組織機構の柔軟な見直し、各種審議会、協議会の見直しなど、事務事業の見直し等行政運営体制の整備・充実に取り組んでまいりたいと考えております。 また、財政面においては、先日来より御質問にお答えしておりますが、本県の財政状況は非常に厳しい状態であります。 議員御指摘のとおり、平成十年度末県債残高は九千百六十二億円に上る見込みであります。これは平成四年度以降、地方財政全体の財源不足や相次ぐ経済対策の実施に伴い多額の県債を発行してきたことによるものであります。そのため、県債の元利償還金である公債費につきましては、平成十年度は対前年度比百十八億円、一四・八%の大幅な増加になっており、今後ともこの傾向が続く見込みであります。こうしたことから、県債の借り入れに当たりましては、交付税措置のある有利な起債制度を最大限活用いたしまして、後年度負担の軽減に努めるなど、今後の負担にも十分留意しながら、財政の健全化に努めてまいりたいと考えております。 地方分権についての今後の取り組みの基本的な考えについてお尋ねでございますが、地方分権については、平成七年五月に地方分権推進法が成立し、同年七月に地方分権推進委員会が発足して以降、政府に対する地方分権推進委員会の四次にわたる勧告が行われ、この勧告を受け、去る五月二十九日に政府により、国と地方を上下・主従の関係にしていた機関委任事務制度の廃止、国と地方公共団体の関係についての新たなルールの創設などを盛り込んだ「地方分権推進計画」が策定されたところであります。今後、この地方分権推進計画に沿って、平成十一年の通常国会に関係法律等の改正案が提出される予定であり、地方分権が本格的に実施されることになっているところであります。 本県におきましては、平成六年二月に、庁内に「地方分権推進委員会」を設置し、市町村長へのアンケートの実施などを行い、今後の地方分権に対する方策を検討し、同年八月に民間の有識者で構成する「地方分権推進会議」を発足させ、四回の審議を経て、同年十二月に地方分権の推進に関する意見書の提出を受けたところであります。 同意見書は、県から市町村への権限委譲、事務事業のあり方などを検討するため、県と市町村双方で構成する協議会の設立、職員の意識改革を図るための研修機会等の確保などが提言されております。この提言に基づき、平成七年六月に、県と市町村とで構成する「長崎県地方分権推進協議会」を設け、県から市町村への権限委譲について積極的に協議し、平成八年四月に、鳥獣捕獲の許可など二十四項目を、平成九年四月に、児童の補装具の交付など七項目を、平成十年四月には、身体障害児の日常生活用具の交付など五項目の権限を委譲したところであります。 また、職員の意識改革を図るための研修機会等の確保につきましては、平成七年十一月に策定いたしました「新行政システム推進基本計画」に盛り込み、その実現に努力しているところであります。具体的には研修所研修の充実、国や民間への派遣研修の充実、市町村との人材交流の推進などを進めているところであります。中でも自治研修所におきましては、政策形成能力の向上に重点を置きまして、研修内容の充実と時間枠の拡大を行っているところであります。 また、「地方分権推進計画」には、地方公共団体の行政体制の整備・確立のため、市町村合併の推進が盛り込まれており、議員御指摘のとおり、合併をも含む市町村の体制整備に真剣に取り組むべき時期にきていると考えております。 計画では、国が合併推進の指針をつくり、県が合併パターン等の要綱をつくるというもので、県の役割が拡充されてきております。これを受けまして、県といたしましても、これまでの機運醸成に加えて、本年度、広域行政や市町村合併に関する県民意識調査を行うほか、合併の具体化をさらに推進するため、合併市町村に対する県独自の財政支援制度について今後検討するなど、分権の時代にふさわしい市町村行政体制づくりを支援してまいりたいと考えております。今後は、「地方分権推進計画」に基づく法律の改正の内容等を見ながら、さらに県の行政体制の整備や県から市町村への権限委譲を検討するなど、引き続き地方分権の推進に努力を重ねていきたいと考えておる次第でございます。 残余の質問につきましては、部長より答弁させていただきます。 ○議長(村山一正君) 企画部長。 ◎企画部長(溝添一紀君) 県として、地域の情報化の推進についてどのように取り組んでいくのかというお尋ねにお答え申し上げます。 時間と距離の制約を取り除きまして、日常生活のみならず、社会・経済の仕組み、あるいは価値観までをも変える可能性を持つところの高度情報化の推進ということは、本県におきましても積極的に取り組むべき課題でございます。 本県における高度情報化の基本方針を明確にし、今後の施策展開の方向性を示すべく、今回、「長崎県地域情報化構想」を策定したところでございます。この構想は三つの基本理念を立てております。一つ目が「いたわりと温もりのあるゆたかなくらしづくり」、二つ目が「ひと・情報が交流する活気あるながさきづくり」、三つ目が「活力あるたくましい地域づくり」でございまして、この基本理念に基づきまして、基本的方向性としまして九項目を例示いたしております。健康でありますとか、安心できる生活の確保、高齢化社会に対応した地域づくり、学校教育の充実、しまの活性化、さらには行政サービスの高度化、地場産業の活性化と新たな産業の創出という項目でございます。これらの施策の推進を図るため、昨今の目覚ましい情報通信関連技術の進展を踏まえて、さらに各界の有識者の方々の御協力をいただきながら、基本的には民間の活力を最大限に生かした整備を進めたいと存じます。ただし、議員御指摘のように、需要密度の低い過疎地域、あるいはしま、半島地域につきましては、市場原理に基づく民間事業者での整備がなかなか進まないということでございますので、行政が、教育、医療など、公共的な部門についてモデル事業を行うことによりまして民間の需要を喚起すると、それを起爆剤に行政と民間が協力し合って整備を進めていくと、そういう方向性で、具体的な実施計画を平成十年から策定してまいりたいというふうに存じております。 ○議長(村山一正君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(水谷正君) 活力ある産業基盤づくりのため、中小企業の情報化の支援についての取り組みについてのお尋ねでございます。 産業構造が変化する中、企業が新たな時代へ対応するための方策として、情報通信技術の活用による生産性の向上と高付加価値化への取り組みがますます重要となってきております。また、情報産業が経済を牽引する役割を期待されており、情報産業を育成していくことについても、その重要性が高まっております。このような中、県は中小企業の情報化の促進のため制度資金の活用促進や、アドバイザーの派遣を行い、また「(株)長崎ソフトウェアセンター」及び「いさはやコンピュータ・カレッジ」において、情報処理技術者など、情報化時代を担う人材を育成し、中小企業の支援を行ってまいりました。また、中小企業情報センターが運用している広域連携情報システム(よかネット長崎)では、企業データベースの構築など、システムの充実を図るほか、インターネット体験セミナーを県下各地で実施し、経営者などへの普及、啓発を行っております。さらに、(株)長崎ソフトウェアセンターに長崎総合科学大学大学院の研究室を誘致し、産学官マルチメディア共同研究室の設置により企業との連携を図り、新企業創出事業などの助成制度とあわせ、情報関連産業の創出に取り組んでおります。今後も中小企業の情報化を促進するため、情報提供事業や人材育成事業の充実、情報産業の育成など、情報化の支援に力を注いでまいりたいと思います。 次に、広域的観光ルートの開発についてのお尋ねでございます。 本県の平成九年の観光客数は、議員御指摘のとおり、景気低迷のあおりを受け、対前年比マイナス三・〇%、宿泊客延べ滞在数にあってはマイナス六・六%と減少しております。島原半島地域におきましては、島原市においてやや宿泊客数が増加したものの、全体として県平均を下回る厳しいものとなっております。 県といたしましては、団体旅行型から個人、家族、小グループ旅行型へという観光客の旅行形態の変化、安い費用で、近場で、短期間で、みずから体験して楽しむという、いわゆる「安・近・短・楽」という傾向の中での観光ニーズの多様化に、いかに的確に対応するかが重要な課題と受けとめております。そのためには、県内の各観光地を回遊するような広域的観光ルートのネットワーク化が重要であると考えております。 島原半島におきましては、既に「がまだす計画」の中で、歴史、自然、火山観光等の特性を生かした五つの観光ルートが形成されており、このルートをPRした福岡県民、あるいは熊本県民を対象としたリーフレットは好評だと聞いております。今後は、県内各地域で構築してきた広域的観光ルート相互を連携させる県域のネットワーク化の中で、議員御指摘のように、長崎市域から、あるいは佐世保・ハウステンボス域から島原半島へという、コースの開発・商品化について努力をしてまいりたいというふうに思います。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 生活環境部長。 ◎生活環境部長(田中敏寛君) 「緑のダイヤモンド計画」につきまして、その有効活用を図るためにどのようにソフト面で対応していくのかというお尋ねでございますが、「緑のダイヤモンド計画事業」につきましては、普賢岳の大噴火に伴います甚大な被害と新しい景観の出現に対処し、雲仙を新たな自然との触れ合い、自然との共生を考える場として総合的に整備をしようとするものでございます。このため、平成八年度には「雲仙ルネサンス計画」を取りまとめまして、先ほどお話の中にありましたように、「島原半島再生行動計画」の重点プロジェクトの一つとして「緑のダイヤモンド計画事業」を位置づけますとともに、国に対しまして、雲仙における「緑のダイヤモンド計画事業」の採択を強く働きかけまして、昨年四月には事業の採択がされたところでございます。そして、本年四月には国におきまして「雲仙天草国立公園雲仙地域総合整備基本計画」が策定をされまして、本年度から本格的な事業の実施が行われることとなっております。 ソフト面の対応につきましては、「緑のダイヤモンド計画」では自然と深く触れ合う体験型・学習型の利用や、環境づくりに参加する参加型の利用を積極的に導入いたしまして、増大をさせていくことといたしているところでございます。このため、既に動き始めておりますが、住民主導の「雲仙百年の森づくりの会」と連携をしつつ、自然の修復を図るとともに、それぞれの利用拠点の特色を生かした多様な利用プログラムの作成や案内システムの整備、地域の人々による自然解説を行っていくためのパークボランティアなどの人材の育成、国立公園雲仙としての資質を損なわず、高めていくための雲仙における行動指針や、さらには施設・環境整備の指針など、雲仙らしい利用のためのルールづくりなどを進めまして、ソフト部分の充実に努めていきたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 松島議員-一番。 ◆一番(松島世佳君) 御答弁ありがとうございました。 それでは、再質問をさせていただきます。 まず、基本姿勢として「見える県政、感じる県政」というふうな県政運営の基本姿勢を掲げていらっしゃいます。実は、今議会を通じて傍聴席に御婦人が大勢、金子知事の応援団がいらっしゃっております。実は金子知事の魅力というのは私もわかったような気がいたします。母性本能をくすぐる、えも言われぬ人間性と、私もその魅力に負けそうでございます。(笑声)そこで、「見える県政、感じる県政」を標榜していらっしゃる知事に、これは本当に真剣にお尋ねをしたいのですが、私は知事の心中はそうではないのではないかなと思うんですが、知事公舎の開放でございます。「見える県政、感じる県政」、見える県政をもし標榜するのであれば、その知事公舎に知事がおいでになって、初めて知事公舎を開放することによって「見える県政、感じる県政」が実現をできるわけであります。江戸時代、戦がございました。本陣にその殿はおります。その周辺に旗本がおりまして、それぞれ敵陣とやりとりをする中で、本陣に立った旗を見て、足軽、一兵卒まで元気を出すし、旗が逃げれば兵卒も逃げていく、旗が突っ込んでいくような、しっかりしておればどんどん前進していくと。今、金子県政がスタートをしたときであります。私は少なくとも、あなたが今、夜どこにおいでになるか知りません。百五十有余万人の県民も知らないと思います。(笑声)笑い事じゃない。恐らくここにおいでの幹部の皆さん方も、知事が夜どうしていらっしゃるのか知らないと思います。議会の中でも、皆さん、知っている方、地元の方が何人いらっしゃいますか。(「知らぬ」と呼ぶ者あり)知らないですね。私は、このことは何としても、長崎県の百五十有余万人のトップリーダーはあなたであります。あなたは年中無休、二十四時間、大変でございましょうけれども、万に一つの災害のときも所在をしっかりしていることがリーダーとしての第一歩だと私は心得ております。知事、本心は恐らく、自分も知事公舎にというふうに思っていらっしゃるのではなかろうかとを私は推察をいたします。と申しますのは、ずっと今議会の答弁を聞いていまして、「慎重に検討をしてみたい」と、重ねてこの問題については答弁をなさっております。どなたのアドバイスで知事公舎を開放するとおっしゃったのか知りません。しかし、ここはしっかり自分の意見を通して、知事やってください。私は期待をしたいと思います。なぜならば、冒頭申し上げました、人間性豊かな魅力に、私さえも引き込まれそうな非常にすばらしい面をお持ちでございます。あなたならば必ずやれると思います。五十三歳という年齢的なものもございます。オープンに議論をして、恐らく県庁舎が梁山泊みたいになるのを期待をなさっているのではないかと、先ほどの答弁でも県民とオープンな議論をしたい、そして県民のため自分が先頭に立つんだと、率直にこうおっしゃった。知事公舎をオープンな状況にして、さあ、二十四時間皆さん、いらっしゃいと。大変な不況であると、大変な政治経済が困難のときにある、長崎だけは俺がいるぞと、俺についてこい、一緒にやろうと、そういう気持ち、気概がぜひともほしいわけでございます。知事公舎開放、そのことを含め、あえて一千九百万円の予算が組んであります。あなたが知事公舎に入る、よって、もっとよくしたいという一千九百万円の血税の投入ならば賛成をいたしましょう。しかし、自分はそこにはいない。美術館が狭いから知事公舎を美術館にしますという予算の編成であれば、これに賛成する県会議員が果たしているでありましょうか、了解をする県民がいるでありましょうか。賢明な知事の思いを今一度聞かせてください。 ○議長(村山一正君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) ただいまの松島議員のお尋ねでございます、知事公舎の件でございますが、何回も議会でお話をしているとおり、あの諏訪の森一帯というものにつきましては、私はかねて大変関心を持っておりました。特に、中学時代を長崎で過ごしまして、あの図書館も随分利用させていただきました。そういった中で、やっぱりあの一帯というのは非常に昔から、歴史的、文化的な、そういう価値のある地域でございます。現在でも県立美術博物館を初め、図書館等もございますし、また、かつて江戸時代はあの一帯というのは長崎奉行所として活用されていた地域でございます。その面影が今でも残っておりますし、私はそういったことを考えながら、今後、この地域を新しい開発をすることによって、そういう県民の皆さん方の憩いの場、また多くの観光客の皆さん方が関心を持つ、そういったものをつくり上げることができないかなということをかねて考えておりましたものですから、今回、知事に当選いたしましても、そういった考え方に基づいて入居いたしませんでした。中には、そういった具体的なものが一つの政策として出てくるまでの間はいいのではないかという御意見もありましたが、知事が入っていると、入っていないでは、やる方も随分やりにくいのではないかと、最初から入らない方がいいのではないかというような考え方で入らなかったわけでございます。 それから、確かに議員御指摘のとおり、公舎の問題につきましては、私はやっぱり知事というのは必ずしも長崎市選出とは限りませんから、当然それぞれ住む場所というものは確保しておかなくてはいかぬということは確かだと思いますし、その必要性については私は認めております。ただ、その内容的な規模をどうするかということにつきましては、今後検討の余地があるのではないかというふうに思っております。 実は私、今、県の公舎に住んでおりまして、ちゃんと住所も公表されておりますし、電話も公表されております。絶えず連絡が取れるように、それはもうトップに立てば、いつ、何が起こるかわかりませんから、そういったときにいつでも先頭に立って自分がそういったリーダーシップを発揮できるような、そういう立場であるということは認識のもとに、今日まで四カ月間行動してまいりました。したがって、私は決してそういういろいろな問題で入らなかったということではございません。 それから、全国の例をとりましても、知事公舎があって、知事公舎に入ってない方が六県、知事公舎がない県が四府県ございます。これはそれぞれの県によっていろいろな考え方があるわけですから、今、松島議員は松島議員の立場で御指摘なさったことも一理あるというふうに私は考えております。 予算のお話があったわけでございますが、確かに県立美術館に改修することによってそれだけの予算がかかります。ところが、美術館自体も、私、きのうも美術館に行ってみたんですけれども、正直言ってもう狭隘なんです。しかも資料を整理する場所もないと言っているんです。したがって、すぐ近くにかねてからそういったものがあれば、ぜひそれを活用したいということがありましたから、私はこの一千九百万円の予算につきましては、ぜひ御理解をいただきたい。 予算の面でいろいろ言われて、大変それは申しわけなく思っておりますが、私が仮に公舎に入らなかったことによって、かつて五人、嘱託も含めてあそこに人を雇用しておりました。一人の方は今管理上置いておるようでございますが、あと四人は配置転換をいたしたようでございます。いずれにしろ、私は余り大きい建物の中に入って、あれは非常にいいですよ。きのうも行ってみまして、きょう質問が出るということを予感したものですから、行ってみまして、確かにあそこに行って、あれだけの広大な土地の中で、環境もいいし、それはもう、なかなかああいうところはほかにはないだろうというふうに思うわけなんです。ところが、あの中に入ってしまうと、正直言って県民との間が遮断されるような感じもするわけなんです。やっぱり「知事様」とか、何となくそういうふうな感じに受けとめられるところもあるのではないかと。だから、私はかえって皆さん方がもうちょっと気軽に入ってこれるようなくらいの大きさの家に住んだ方が、かえって県民の皆さん方からは非常にいい感じを持たれるのではないかというような考え方でもおります。また、決して県の事業では支障を来しておりませんし、すべて県の庁舎内で、今まではどちらかというと時間帯もいろいろとその知事によって違いましたが、私は必ず八時四十五分に出てまいりまして、六時に大体仕事が終わるまで、県庁の中ですべてやっていくと。いろいろな問題が出たときは、土曜、日曜の場合でも必ず、その場合はホテルを使わせていただいたりしておりますけれども、そういった県の事業に支障がないように努力をしておりますので、その点はよろしく御理解いただきますように、お願い申し上げる次第でございます。 ○議長(村山一正君) 一番。 ◆一番(松島世佳君) 知事、わかります。知事は三期県会議員、五期代議士をやられた、政治家としては横綱であります。私はぺいぺい、一番議員の一年生であります。幕下もいいところであります。されど県会議員であります。知事、横綱の胸をかりるつもりでおります。どうぞその辺は少々乱暴でお許しをいただきたいと思います。 知事がおっしゃることもわかります。あえて反論をするわけではございませんけれども、今、国も含め、県もしかりです、平成十年度は九千百億円に及ぶ県債残高を有していると、こうおっしゃっている。そして、先だっては私の友人が夜逃げをいたしました。たった三百万円の手形を割れずに夜逃げであります。世は、それぞれの生活が大変な状況であります。ある夜、電話がありました。「先生、ごめん、手形が落とせぬ」と。多くの県民が、事業家が大変な状況を今抱えております。経営者というそれぞれの人が、もうあえて言いません、先ほどの知事の答弁ですから。一兆円近くの予算の中の一千九百万円というのはしれたものかもしれない。しかし、しかし、一県民にとっては、年収六百万円、所得六百万円取るのが精いっぱい。三年分の汗水たらした所得であります。そのことを肝に銘じていただきたいと、こう思うわけです。あえて言いません。 金子知事は、知事になられて四ケ月がたったそうでありますが、一九七二年、田中角栄は内閣を組閣したその夜に部下に指示をし、今、最も日本にとって大切なことは日中国交正常化だということで、その晩に、与野党を問わず、関係のあるそれぞれの部下に指示をして、日中国交回復をやり上げると言った。「いや、先生、なったばかりですよ。まだもういっとき待たれれば」と、こういうふうな話を部下がしたそうであります。田中角栄はそのとき何とその部下に答えたかというと、政権に最も力のあるのは、政権が発足したその時だそうです。そこからどんどん落ちていく、「今しかないんだ、やるぞ」と。三カ月後には、御承知のとおり、周恩来首相とかたい握手を交わし、日中国交正常化の端緒についた。これは偉大な田中角栄の政治的な功績だと私は思います。どうぞ知事、今こそ知事に就かれ、一番力のある時でございます。私たちも全力で協力することにやぶさかではございません。たかが幕下の力士ではありますが、一万四千五百二十名の支持を得ております。どうぞ知事、蛮勇と言われようとも、あなたのその思いを、願いを全力で県政にぶつけていただきたいと、こう思います。 次に、地方分権であります。 我々島原半島においても地方分権に関しては非常に力を入れて、ボランティアを中心とした地方分権の委員会みたいなものをこしらえて、そして県からも二百万円程度の予算をちょうだいしながら、合併に向けてのいろいろな地域間、いわゆる地元での活動を続けております。それぞれの長崎県の地域でもそういう活動もあるやに聞いておりますが、どうしても地方分権というと、何というんですか、難しさというんですか、どうしても下から持ち上げてくる、制度的にはこれが当たり前、地方自治の建前、制度上当たり前なんですが、ボトムアップという手法が、日本の経済、あるいは世界の経済がこれほど急激な、大きな大転換期を迎えている今、旧来の手法で、すなわち、今の既存の法律でそれぞれの対応をしていくには余りにも遅過ぎると。日本の法律自体をつくるのに、このまま黙って待っておれば百年ぐらいかかると、世界に、グローバルスタンドに合わせる法律体系に変えてしまうには、従来のやり方でやればですね。だから、非常に難しいかもしれませんけど、ボトムアップでやるよりもトップダウンで、私が言いたいのは地方分権等もある程度トップダウン、すなわち県の主導でもってそういう形に、ある意味では反強制的な形ができないかと、地方自治の本旨に反することは存じ上げておりますが、そういうような手法がないものだろうかというふうに思います。そのことについて、担当部長でも結構ですので、お願いいたします。 ○議長(村山一正君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) ただいま松島議員から田中角栄先生を例にとりまして、大変激励のお言葉をいただきましてありがとうございました。今後、肝に銘じまして、私も努力してまいりたいと思っております。 質問の趣旨とは違いますが、私が一番最初に取り組んだのは、まずは隠し事をしなさんなと。県のすべてについてオープン化することが大変大事であると。したがって、今後のいろいろな問題につきましては、決して県が隠し事をしたということがないような、そういう県政をまずやらなければいけないということで、まず私はそういったことの指示をいたしました。そして、いろいろな事業等、すべての問題につきましても県民にオープン化して、県民の皆さん方の御理解をいただきながら県政を進めていくのが我々のやるべき立場であると。そして、職員を含めて、我々はいかに県民の立場に立った行政をやっていくかということを踏まえて、今後取り組んでいかなければいけないということでお話をさせていただいているところでございます。 地方分権の問題につきましては、地域住民の意思というものが大変大事でございますが、しかし、今回、国においても積極的ないろんな法案等がつくられる予定でございますので、そういったものに基づきまして、県といたしましてもできる範囲で、私もどちらかというと、地方分権と町村合併はやっていくべきと、これは両方相まってやっていかないと難しいと、町村合併をやらない限りは分権なんていうのはなかなか難しいということを思っていますので、そういったものを踏まえながら、今後、積極的にそういった問題につきましては研究をさせていただきたいと思っております。 ○議長(村山一正君) 関連質問に入ります。二番。     〔関連質問〕 ◆二番(松元義隆君) ただいま知事の方から地方分権について基本的な考え方をお伺いしましたけれども、再度、この問題につきまして私の方からも質問させていただきたいと思います。 私も地方分権につきましては、人材の育成を含め、着実に県として対応されているということを理解をいたしますが、やはり町村合併なくしてこの地方分権がうまくいくのだろうかという思いがいたしております。もう一つは、一年半後に介護保険制度がスタートするわけであります。したがいまして、そういった意味では今の時期が各市町村にとって大変加重のかかる時期である。それを人材育成だけでは難しいのではないかという思いがいたします。したがいまして、特に、長崎県は日本の西の果てでございます。そういった意味では、県も経済的にも非常に厳しい状況にあります。各市町村もまた同様だと思います。こういった中で国民が、そして県民が、介護保険も平等にその恩恵を受けるために何をすべきかということからいきますと、各市町村合併を、先ほどトップダウンという言葉がありましたけれども、国の指針を待つのではなく、さらに強力に長崎県としては将来を見据えて、その市町村合併について県の指導を強化すべきであると思いますが、もう一度その辺につきまして、できましたら、今度は総務部長の方からお願いしたいと思います。 ○議長(村山一正君) 総務部長。 ◎総務部長(森脇晴記君) 市町村合併についてでございますが、市町村合併と申しますのは、市町村及び住民の自主的判断が重要であることは論を待たないわけでありますが、先ほど知事からお話がございましたように、県としても、地域の発展や県民生活の水準の確保という観点から、市町村の合併をみずからの問題としてとらえて、積極的に支援することが重要であると考えております。議員御指摘のとおり、介護保険制度の導入とか、これまで以上に広域的処理というものが重要になってきているという背景もあろうかと思います。このたび閣議決定された地方分権推進計画においても、市町村の合併を推進するため、県が合併推進についての指針を作成いたしまして、県が合併を検討する際の目安となる合併パターン等を内容とする合併推進の要綱を、これは県が作成します、そして、知事が必要と認めた場合に関係市町村に対し合併協議会の設置を勧告すると、こういった措置が盛り込まれまして、ここに必要な法改正が近々行われるというふうに聞いております。このため、県といたしましても、今年度におきまして広域行政や市町村合併に関する県単独の県民意識調査を行うなど、このような法律改正の動き、あるいは地方分権推進計画の内容、こういうものを十分に踏まえまして、そしてまた、動きに遅れないように、積極的に市町村合併に取り組んでまいりたいと存じます。 ○議長(村山一正君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 町村合併は、私自身もこれは進めなければいかぬというように考えております。ただ、今部長がお話したとおり、まず全体的に、皆さん方県民がどういうふうに考えておるかということについての意識調査をしなければならないので、とりあえず意識調査をやります。それから後、今部長から答弁があったような内容についてやらせていただきますが、問題は、言葉で言うのは簡単なんですよ。ところが、なかなか町村合併というと、町長さんもいますし、町会議員もいますし、問題はそういう方々の立場というものも考えてやらなければいかぬと。したがって、私はこの二、三年のうちでやれと言ったって、そんなに簡単にできるものではないと思うんです。ある程度の、十年なら十年という一つの目標を立てて、その中でどういった形をつくり上げていくかというような形を考えないと、私はなかなか難しいのではないかというふうに考えております。いずれにしろ、この地方分権を進めていくためには町村合併なくしては地方の行政に支障が出ますので、以後検討させていただきます。 ○議長(村山一正君) 時間です。 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は一時三十分から再開いたします。     -- 午後零時十八分休憩-- -----------------------     -- 午後一時三十分再開-- ○副議長(南条三四郎君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き一般質問を行います。末吉議員-四十二番。 ◆四十二番(末吉光徳君) (拍手)〔登壇〕自由民主党・県民会議の末吉光徳でございます。 金子知事として、選挙公約をどう実現し、どんな長崎県にしたいのか。まず、この金子知事の後援会パンフレットから選挙公約を拾ってみます。 「こんな長崎県にしたい!!   大変革時代の確かなリーダー、新たな発進   即戦力で新たな県勢を創る   県民の英知と創意を結集し、まちの活力が響き合う力強い長崎県をつくる   新たな県勢をつくる大きな力   多くの人々と出会い、あいさつを交わし、いつのまにか会話が弾んで、心と心が通い合う。  ふれあいが、県政の原点。それは、思いやりと優しさにあふれたまちづくりの原動力でもある。   ・「優しさ」+「強さ」   ・「改革・挑戦」+「実績・信頼性」   ・「行動力」+「創造力」   ・「地元出身」+「中央とのパイプ」   ・「ふるさと熟知」+「即戦力」  こんな長崎県にしたい!!   県民一人ひとりが心充たされ、誰もが誇りを持って住める長崎県   ・県産品づくりへの支援と消費拡大のための宣伝・拡販の推進   ・心の豊かさ、ゆとりを実感する生活環境の整備  ・労働福祉・児童福祉、女性の職業能力開発などの充実による男女共同参画社会づくり   ・地域の課題に取り組む社会参加活動への支援   ・生涯学習、文化・スポーツに親しむ機会の拡充  地域の個性が響き合う長崎県   ・地方分権の受け皿づくりとしての広域圏行政を積極的に支援   ・上下水道の整備、廃棄物の適正処理の推進   ・地域の振興戦略を柱にしたまちづくり   ・県と市町村・住民の協働・連携による地域主導型のまちづくり  科学技術を活かして産業をおこし、足腰の強い経済基盤をもつ長崎県  ・技術専門機関を横断的に結び、学術機関と連携した研究開発の複合化・総合化  ・科学技術による農林水産製品の高付加価値化   思いやりと生きがいを柱に、福祉施策を大胆に展開し、少子高齢社会のモデルとなる長崎県   ・高齢者・障害者が安心でき、心が通う地域ぐるみの福祉活動の展開   ・広域的な連携による福祉サービスの充実  ・地域の福祉ボランティアを支援する振興センターなど中核的機関の設置   ・福祉サポートの二十四時間受け入れ、情報収集体制の構築   特色ある学校教育を推進し、子供たちをのびのびと育む長崎県   ・県内公立高校への「総合学科」の導入により、科目のメニューを増やした生徒本位のカリキュラム制度の確立   ・各界、各層の県民の協力を得た「非常勤講師人材バンク制度(仮称)」の実施   ・抜本的な教職員研修の改革と充実   ・学校週五日制に対応した住民参加による図書館、博物館など公共施設の有効利用   こんな姿勢で取り組みたい   ・「県政は、県民のために」をすべての根源とする   ・誠実・清潔・実行を柱に、県民本位のガラス張りの県政を推進する   ・主体的、創造的な県政を展開し、独自の地方行政を確立する   ・夢を抱き、知恵を集め、システムをつくり、実行し、やりとげる  夢への期待が県民の活力を生みだし、夢実現への取り組みが県民の感動を呼び起こす   一、各種プロジェクトの企画・立案、施策の調整のため、民間活力を導入した知事主導型の政策審議室(仮称)の設置   二、県民の多様な行政ニーズ、信頼に応えるための新モニター制度の創設と、情報公開の徹底   「自律ある長崎県」を築くため、交流・連携をキーワードに県民総参加の県政をめざす。  ・長崎都心における快適な公共空間を創出するためのナガサキ・アーバン・ルネッサンス二〇〇一構想の推進  ・長崎ならではの異国情緒あふれる東山手・南山手地区や出島復元など歴史的資産の保全・創造の推進  ・レインボー計画(佐世保駅周辺再開発事業)の推進による県北の中核都市機能の確立  ・県央地区の交通の要衝としての便益機能を高め、諫早市と大村市の総合的都市政策の推進  ・がまだす計画の着実な推進と安全・安心が保証された農業と観光のふるさとづくり  ・半島を縦断する地域高規格道路の整備充実と美しい自然環境を活かした県民やすらぎの場の創出  ・「海洋クラスター都市構想」の実現  ・「しま」の持つ自然環境・資源の保全と有効活用による観光事業の推進と農林水産物の供給基地機能の確立  ・生活者や女性の視点に基づく新しい行政システムの構築  ・県民が文化・芸術に親しみ、創造的な文化活動を展開できる環境の整備  ・アジアの発展を長崎県の振興に結びつける施策の研究・推進  ・安全・快適を基本に、自然にやさしい総合的・広域的な環境の整備  ・民間活力を導入しやすい産・学・民との相互協力体制づくり  大変革時代の確かなリーダー、新たな発進  ・政策課題に果敢に取り組む豊富な経験と情熱がある  ・国との大きなパイプ、確かな実績がある  ・大変革の時代にこそ県勢を発展させる卓越した手腕がある  ・清潔・誠実・実行を柱に信頼ある県政を実現できる  ・ふるさとを熟知した生粋の長崎県人である」 と、パンフレットで県民に訴えています。 また、金子知事本人はパンフレットで、「だから今」として、「長崎県の進むべき道筋を示し、『自律ある長崎県』を築きたい」と、次のように訴えています。 「国家的課題としての行財政改革の進展、社会経済システムが大きく変わろうとするなか、地方分権の流れが強く押し寄せており、今ほど県民の視点にたった新たな県政のリーダーが求められている時はありません。 私は、もともと民間出身で、政治家として県政、国政を通じ、常に県民の皆様のご支援のもと選挙で選ばれてきた人間です。だからこそ、地域の皆様とふれあい、語り合い、お一人おひとりの声を政治に反映することの大切さを誰よりも痛感しています。 これからの県政は、中央の方針を地方に伝えるだけでなく、行政内容を広く情報公開し、行政と県民の皆様が同じテーブルで意見交換ができるような対等な関係を築くことが必要です。そして、皆様の英知と創意を結集した独自の地方行政を展開していくことが何よりも求められているのです。 私は、やります!県会議員、国会議員として歩んできた二十三年の経験と実績を柱に、政策課題に果敢にチャレンジし、県政の信頼回復に努め、県勢発展の可能性を大胆に追求、開拓していきたいと燃えています。『誇り』や『力強さ』を取り戻し、『自律ある長崎県』を築くために、どうぞ皆様の温かいご支援をお願いいたします。金子原二郎」(発言する者あり) 立派な金子原二郎のお願いです。それに立派に県民がこたえたのです。今後は金子知事が立派に県民にこたえる番です。長崎県の、全県民の名実ともにトップリーダーとなられた金子知事、長崎県のため、県民の英知と総力を結集して、公約実現に県民もがまだすけん、一緒にがまだしましょう。(笑声) 島原半島の振興対策についてもいろいろと公約がありますが、私も県民の代表として、知事候補に自由民主党の推薦がもらえるならば立候補しようと、自由民主党に推薦願を提出しました。(発言する者あり)その後、私は金子知事と二人で政策や政治姿勢を話し合う機会がありました。そのときに、島原半島の振興対策は、まず地域高規格道路の早期実現だ。まず諫早から愛野まで早くつくること。また、長崎県に活力をつけること。そのためには県民の話をよく聞き、県民の立場で、特に、弱い立場の人たちの考えをいかに県政に生かすかが大事だと、金子知事が言われました。 知事のパンフレットの中で、私は、強さ、実績、信頼性、創造力、中央とのパイプ、即戦力などは負けるかもしれないが、やさしさ、改革、挑戦、行動力、ふるさとをよく知ることなど、庶民性とやる気だけは絶対負けないと思っていました。(発言する者あり)あなたは今までの経験を生かして、せっかく県民が育てた大事な国会議員だから、大臣になって世界や日本のため、長崎県のため、がまだせというつもりでした。話し合ってみますと、あなたは私の県民を思う話をよく聞いてくれ、丁寧に扱ってくれ、「私も民間出身で、政治家として県政、国政を通じ、常に県民の立場で努力し、頑張り、県民の皆様の御支援のもと、選挙で選ばれてきた人間です。だから、あなたと同じで、地域の皆様と触れ合い、話し合い、お一人おひとりの声を政治に反映することの大切さを誰よりも知っています」とのことでした。そして、「大臣をやれと言われても知事に立候補する。既に橋本総理にも、派閥の代表にも大臣になれと言われても知事に出ると言ってある。ふるさと長崎県民のため働きたい」ということを聞き、この人なら長崎県の知事として間違いない。この人なら自分が立候補するよりも応援した方がましと判断したわけです。自分たちの代表として、豊かな長崎県づくりを任せられる人だと思いました。また、真面目で意志の強い、人の心がよくわかるやさしい人だ、判断力のある人だ、この人なら自分の代表として県民に訴え、応援できる人だと思い、自分が立候補する必要なしと判断し、推薦願を取り下げました。(発言する者あり) つまり、惚れ込んで応援したわけです。その後、早速、私と約束したことを島原事務所開きのあいさつで島原半島民に約束をされました。私も聞いていましたが、金子知事は「諫早から島原まで一時間かかる。これを三十分にしたい。復興には新しい道路整備が必要、がまだす計画を一つ一つやり遂げる」と述べたと新聞に報じてあります。この新聞記事は大事にとっておきます、必ず実行してもらわなければいけませんので。 公約や知事と話し合ったことを思い出しながら、まず島原半島の振興対策について質問をいたします。 まず、地域高規格道路について。 諫早市から愛野町までを早くめどをつけることと、島原市内を早く完成させるためにどうしようと思っておられるのか、お尋ねいたします。 次に、島原半島の所得の向上策について。 まず農業の振興対策についてですが、農地基盤整備についてどう考えますか。また、農産物価格を高く安定して販売するためにはどうしたらよいか。後継者の育成や女性が喜んでやれる農業、また、楽しい農家や豊かな地域づくりについてどのように考えますか。 次に、島原半島の観光振興対策について。 歴史を生かす、特に、キリスタン遺跡や島原の乱の跡、原城などをどう生かすか。また、「もてなしの心」を育てたり、恵まれた自然環境を生かした観光、「平成新山」をどう生かすかなど、県の考えをお尋ねします。 次に、そうめんの振興対策について。 知事がそうめん振興協議会などをつくって、会長になってがまだすことはできないか、お尋ねします。 もう一つ、葉たばこ栽培の振興対策について知事の考えをお尋ねいたします。 次に、大変革時代の確かなリーダー、新たな発進としてスタートされた金子知事の、『「県政は県民のために。誠実・清潔・実行を柱に、県民本位のガラス張りの県政。夢を抱き、知恵を集め、県民総参加の県政。県民の視点に立った新たな県政、心と心が通い合う、ふれあいが県政の原点。「誇りと愛着のもてる住み良い長崎県づくり」や「自律ある長崎県、夢と希望のあふれる県政」を築くため、「県民が主役の県民総参加の県政」』の考え方を少しお聞きしたいと思います。 まず、県産品づくりについてお尋ねします。 科学技術による農林水産製品の高付加価値化についてもお尋ねします。 次に、地域の個性が響き合う長崎県づくりとして、地域主導型のまちづくりについてお尋ねいたします。 次に、知事の政策の中で、私が一番注目し、一番大事だと思っている男女共同参画社会づくりについて具体的な考えをお聞かせください。 次に、思いやりと生きがいを柱にした福祉政策について。特に、高齢者、障害者が安心でき、心が通う地域ぐるみの福祉活動の展開とはどういうことか、お尋ねします。 次に、アジアの発展を長崎県の振興に結びつける施策について、簡単に考えを聞かせてください。 次に、民間活力を導入した知事主導型の「政策審議室」についてお尋ねします。 このことにについては、県民は直接選挙で金子知事に投票したことを大事にしてください。そのためには金子知事の言う、知事主導型でなければいけません。金子知事が県民の代表としてトップです。当選と同時に、県民みんなの知事になったのです。県民は四年間、金子知事に県政を任せたのです。また、県庁の職員は競争率の高い中で採用され、仕事として、公務員として、県民のために長い間働き、勉強しているのですから、プロです。また、プロになってもらいたいんです。県庁職員は優秀です。県民の考え、知事の考えを具体化する計画をつくるのも県職員です。責任もあります。金子知事が県民の代表として、県庁の職員と一緒になって、総力を結集して、なるだけ知事主導型でも政策審議室の要らない、多くの県民の生の声を直接よく聞く知事になってもらいたい。また、六千人余りの職員にも民間の人たちの入った政策審議室は要らないようになってもらい、いつも県民の方に目や耳を向けて仕事をしてもらいたい。多くの県民から、この知事なら民間の人たちの入った政策審議室は要らないと言われる知事になってもらいたいと思いながら質問しました。 最後には、直接県民から選挙で選ばれた県議会議員もいます。「政策審議室」について知事の考えをお尋ねいたします。 次に、生涯学習・文化・スポーツに親しむ機会の拡充について。特に、スポーツの振興について、また国体の目標などについてもお尋ねいたします。 次に、知事の知事公舎に住まない、これには私は賛成です。なぜか、知事は地球全体が仕事場であり、毎日が仕事です。しかし、狭い意味の仕事は週四十時間ぐらいが限度です。あとは自由な時間にすべきです。多くの人々と出会い、心と心が通い合う、ふれあいが県政の原点であり、自由な時間も広い意味では知事の仕事です。自由な時間はエネルギーを蓄える時間です。知事公舎にいると二十四時間、三百六十五日が仕事のような気がします。知事公舎にいなくても、何かあったら夜中でも集中して仕事をしなければなりません。「開かれた県政、見える県政、感じる県政」実現のためには、知事が先頭に立って、自由に県内を回ったり、遊んだり、休んだりすべきです。例えば、たまには普賢岳に登って、頂上で岩に腰かけて、登ってきた人たちと「平成新山」を見ながら、自然の中で世間話などをするとか、秘書とかいなくて、家族で自由に県内を遊んで回りながら県民の生の声を聞くなど、のんびりする時間が要ります。 この新聞記事をちょっと見ましたが、小峰監督との対談が新聞に載っていましたが、小峰監督が「全体を見渡し、一瞬の判断がつく選手がよい選手」。知事が「政治の世界も同じ、一点だけ見ていると判断を誤る」と、うなずいたと書いてありましたが、まさにそのとおりだと思います。自由に動き回っていて、仕事は集中してやるときはやる。家に帰ってからまで毎日いろいろやらない方がよいと思います。知恵は県民が一番持っているのです。県民が主役です。県民が県政のキーマンです。私がキーマンと言った人もいましたが、(笑声)私もそうでした、私は剣道の試合を見ていて、一瞬のうちに「面」と決めるのを見て県議に出馬することを決めました。いつも県民の声を聞きながら仕事をしていて、選挙にはだれでも立候補していいのだと。「県議に出るなら今だ」と一瞬思ったのです。トップでした。(笑声)知事に当選されたのも、やはり小峰監督の言う、「全体を見渡し、普段の生き方と一瞬の判断」が正しかったのだと思います。私と話をしたときに、くどいようですが、「高田知事が五選出馬しないと聞いたときに、知事に出馬すると自分は決めているのだ」と言われました。本当は、お父さんが知事選挙に負けたときから決めておられたのかもしれませんが、(笑声)私は情熱あふれるその意志の確かさと判断の速さ、情勢の見方が正確で、また長崎を思う情熱やふるさとを思う心が固いことを知り、感動しました。立派なものです。普段から県民を思い、ふるさとを思う、県民の生の声をよく聞いているから、そういう判断ができるのです。「県政は県民のために」をすべての根源とする金子知事の県民第一主義の考えからも、知事公舎には住まないがいいです。県民にいつも囲われる必要はありません。父のやり残したことや先輩たちのやり残したことをやり遂げる、これはふるさとを守り、豊かな地域を子供たちや孫に残す上でも一番大事です。自分のことだけ考えたら、ふるさとに住む人は余りいないのではないか。苦しくても、やはり父や母、じいちゃん、ばあちゃんのことを思い、また子供や孫のことを思い、ふるさとのことを思い、みんな、がまだしているのです。そのがまだして生活している美しい姿を見て回り、生の声を聞いてください。県民、みんなの知事ですから、、知事として一人でも多く県民と話をしてください。知事公舎に住まないことは、知事も一人の県民としての自分の厳しい生活を楽しみながら、県民とのふれあいやつき合いを大事にして、知事をやりたいとの考えではないかと思って質問をしました。なぜ知事公舎に住まわれないのか、知事の考えをお答えください。 金子知事は、選挙前も選挙後も変わらず、真面目に一生懸命がまだしていると県民に高く評価されています。金子知事は県民の心がよくわかっています。また、選挙で選ばれないと知事になれないことが一番わかっている人です。私も出馬をやめて、自分の代表として金子知事を応援して本当によかったと思います。金子知事の「私はやります」という決意をパンフレットで見て、私も思い出します。私も十二年前、ポスターに「やります」だけ書いて出馬しました。演説でも、最後はいろいろ言っても一緒、幾らいい公約をしても、やらなければ何もならない。私は県議になったら「なんでんかんでんやります」。だから、「やります」を大きな声で三回言いますと言って、「やります、やります、やります。やらせてください」と訴えて当選しました。県議になればなんでんかんでんやれると思っていたのです。しかし、私は余りやれませんでした。(笑声)県議に当選後はずうっと知事になればやれると思っていましたが、それがかわってやってくれる人ができたのです。私もやっと本当の意味で県議に当選したような気持ちになっています。本当にうれしいです。今は景気対策を一番県民が求めているようです。私も初心に返ってやります。がまだします。金子知事、県民の代表として、県民にかわって、県民のためにやってください。「私はやります」と約束をしたのですから、今はすべて知事が私より上です。私にかわってやってください。がまだしてください。あなたが県民を思う気持ちは一番です。県民を思う気持ちは日本一の知事です。私はそう思います。「活力にあふれる長崎県づくり」、「いたわりと温もりのある長崎県づくり」、「人づくり日本一の長崎県づくり」に積極的にがまだしておられます。やがて、長崎県民すべてが金子知事が日本一の知事だと言うまでがまだしてください。 最後になりましたが、金子知事、知事選挙に御当選、本当におめでとうございます。本当によかったですね。「開かれた県政、見える県政、感じる県政」を私もがまだすけん、私たちの夢、希望、期待を壊さないように、真面目な知事として、「県政は県民のために」をすべての根源として、真面目にがまだして、長く知事をやってください。あなた、末吉県議がやりたいことをあなたにかわって私がやりますという答弁を期待して、壇上からの質問を終わります。(拍手) ○副議長(南条三四郎君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕ただいまの末吉議員の御質問にお答えいたしますが、選挙公約についていろいろとお話がございましたが、公約の重みというものは私もよく存じておりますし、これから公約したことについては一つ一つ実行に移すように、また実現するように努力をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。 また、質問の中で大変ないろいろな御意見、また御指導等もいただきました、激励もいただきました。そういったお言葉を一つ一つかみしめながら、これから県政に取り組んでいきたいと考えておる次第でございます。 それでは、質問通告に従いまして、まずもって地域高規格道路について、三県架橋についてお尋ねでございますので、お答えいたします。 高規格幹線道路や地域高規格道路などの規格の高い道路は、県土の均衡ある発展にとっても必要不可欠な道路であります。特に島原道路につきましては、島原半島の地域振興のためには早期の整備が必要であるということは私もそのように思っております。知事選挙のときも随分島原に行きまして、長崎から行くのは意外と時間的にある程度の時間で行けるんですが、特に、県北から空港にかけてのてアクセスを考えてみますと、やっぱり愛野から諫早間の整備というものが緊急なものであるなということを感じておりました。そういった中で、現在、諫早市から愛野町までの区間はその必要性が高いということで、今後推進を図っていくわけですが、しかし、当区間で一つ問題があります。それはどういうことかというと、実は、今まで森山拡幅として国が一般改築事業で進めておったわけなんです。したがって、今度は高規格道路でやるということになりますと、調整が必要です。それは、一つの地域で、同じルートの中に国が直轄でやる仕事として二つの事業というものは、非常に困難だということになっているわけなんです。したがって、一方どちらかを選択しなければいかぬというような方針になっておりますものですから、現在、この問題につきまして、地元とどういう方向で整備した方が一番早くていいかということについて、いろいろと協議を重ねているところであります。今後とも計画の早期策定に向けて努力をしてまいりたいと考えております。 それから、島原市付近では、国が施工中の島原深江道路が今年度中に全線完成と伺っております。 また、県の事業の島原市下折橋町から出平町までの区間につきましては、本年度も用地取得に努めるとともに、工事着手を予定しております。さらに、同市内の調査区間、四キロメートルにつきましても、早期に事業着手できるように今後努力していきたいと考えております。 それから、自律ある夢と希望のある長崎県を築くための基本的な方針、考え方についてお尋ねでございますが、現在、社会・経済の多くの分野で制度疲労によるさまざまなひずみが表面化しており、さらに本県においては、地理的、地形的な制約や過疎化、高齢化の進行など、本県特有の難しい課題を抱えております。しかしながら、本県は美しく、豊かな自然に包まれ、国際色あふれる歴史と文化を有しております。私はこうした特色と個性を生かしながら、より広域的な視点に立って地域の魅力を最大限に引き出すための施策を、県民の皆様の英知と創意を十分に酌みとりながら積極的に講じ、「夢と希望あふれる二十一世紀の長崎県づくり」という基本理念の実現に向けて全力を傾注してまいりたいと考えております。 次に、男女共同参画社会についてのお尋ねでございますが、女性と男性がお互いの人権を尊重し、ともに支え合い、対等なパートナーとしてあらゆる分野に参画し、ともに責任を分かち合う社会、いわゆる「男女共同参画社会」を実現することは、多様な人生設計を創造し、豊かで活力ある郷土を築く上で大きな柱となるものであると考えております。 今や、女性が家庭のみにとどまることなく、自分の能力を磨き、職業につく中で、家庭を持ってもみずからの能力を十分に発揮できる、男性と同じように社会の発展に貢献できる環境づくりは重要な課題と考えております。このため、こうした社会の形成に向けた機運を醸成するとともに、女性が働きやすい環境づくりに努めるなど、女性一人ひとりが創造性とチャレンジ精神を存分に発揮でき、夢と希望の持てる社会の実現を目指して頑張っていきたいと思っております。 次に、福祉政策の高齢者、障害者対策についてお尋ねでございますが、今、社会全体が大きな転換期を迎えております。社会福祉についても少子・高齢化の進展、家庭機能の変化、障害者の自立と社会参加の進展に伴い、国民の意識が大きく変化してきております。これからの社会福祉は、これまでの単なる保護、救済にとどまらず、国民全体を対象に社会連帯の考え方に立ち、住み慣れた家庭や地域の中で障害の有無や年齢にかかわらず、その人らしい安心のある生活が送れるような自立を支援することが必要になると考えております。その基盤として、他人を思いやり、お互いを支え、助け合おうとする精神が不可欠であると考えております。私が公約として掲げております「心が通う地域ぐるみの福祉活動の展開」とは、まさにそういう意味であります。この基本的な考えに立って、具体的には「ゴールドプラン」、「障害者プラン」、「エンゼルプラン」や「福祉のまちづくり条例」に基づき、ハード面の整備とともに、特に、在宅福祉サービスの促進を図ります。介護保険についても円滑な導入に努めてまいります。 また、就任以来、情報公開に努めておりますが、各種施策については県民への一層の周知を図るとともに、県民の意見を十分に反映させながら、ボランティア活動やホームヘルパー活動などの促進、支援を図るなど、長崎県に住んでいれば安心と言われるような、独自の医療・福祉体制をつくり上げていきたいと考えております。 次に、「政策審議室」についてのお尋ねでございますが、今日、個性豊かな地域社会の形成、少子・高齢化社会への対応など、行政が取り組むべき課題は多岐にわたっております。また地方分権の推進により、二十一世紀は「地方の時代」とも言われており、住民サービスに対する地方自治体間の競争が激化することは予想されます。このような状況に対応するには、住民の声を十分に聞き、積極的に取り上げ、住民に身近な、「開かれた県政」を進めなければならないと考えております。そのためには、住民の声を政策に反映させる方法として、いろいろな立場からの御意見をいただき、政策検討の段階から参加してもらうために、庁内組織として「政策審議室」を、庁外組織として「政策創造会議(仮称)」を設置することといたしました次第であります。 政策を決定するに当たっては、県民のニーズを十分に受けとめ、私の政策方針に沿って、各部各課において十分検討を行い、事業の具体案を作成し、実施していくものであり、さらに予算審議等を通じ、県議会にお諮りしながら進めていくべきものであると考えております。いずれにいたしましても、政策を決定する過程において既存の事業との整合性、法令の問題、費用の問題などを総合的に判断する必要があります。そのためには各部間の連携を密にし、庁内の職員の意見を結集させていかなければならないと考えております。その政策を立案、実行していく有能な人材を育成するためには、職員の政策形成能力を強化する必要があり、研修所研修の充実などを図ってまいりたいと考えております。 スポーツの問題、特に、国体についてお尋ねでございますが、本県を代表する選手たちが国体を初めとする各種全国大会で華々しく活躍することは、県民に夢と希望と感動を与え、活力あふれる長崎県を築くことにもつながるものであります。このため、県競技力向上対策本部を中心に、競技力の向上に努めているところでありますが、昨年の大阪国体において本県が最下位に終わったことはまことに残念であります。この結果を踏まえ、県、県体育協会、競技団体との連携のもと、強化に携わる関係者の国体に対する意識の改革、競技団体の指導者の連携強化による組織を挙げた強化システムの確立、戦力分析に基づいた効率的な強化事業の推進、優秀競技者の積極的確保などの対策を推進しているところであります。ことしの神奈川国体では、本県を代表する最強の国体チームを編成して、三十位台躍進を目指し、強化策に全力を挙げて取り組んでいるところであります。今後とも競技力向上対策につきましては、関係団体と一体となって努力してまいりたいと考えております。 立山公舎の問題でございますが、午前中にも詳しくいろいろと御説明いたしましたが、いろいろなお勧めがある中で、私が立山の知事公舎に入居いたしませんでしたのは、何度も申し上げておりますように、公舎があります諏訪の森一帯について、歴史的な価値を踏まえた整備を行い、地域振興に活用したいと考えておるからであります。既に五月二十六日から一般開放いたしまして、現在約一万人以上の方々にご覧いただいております。今後は「諏訪の森整備構想」の策定を進めるとともに、当面は県立美術博物館の新別館として有効活用を図ってまいりたいと思っております。議員御指摘の知事公舎に住まないことと、県民との触れ合いやつき合いを大事にすることとの関係は、一概には論じられないという気もいたしますが、いずれにしても、これまで申し上げてきているとおり、県民の心を私の心とし、県民の声に常に謙虚に耳を傾けながら、県政の推進に邁進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げる次第でございます。 残余の質問につきましては、関係部長から答弁させていただきます。 ○副議長(南条三四郎君) 農林部長。 ◎農林部長(白浜重晴君) 島原半島の振興対策についての中で、所得の向上対策中、農業振興対策についてのお尋ねでございますけれども、島原半島地域の農業は、雲仙普賢岳の噴火災害で大きな被害を受けましたが、地元の皆様の御努力によりまして、現在順調に復興をいたしております。 県といたしましては、災害後、島原半島農業の復興を最重点課題と位置づけ、「がまだす計画」に沿いまして各種施策を、市、町、農業団体等と一体となって展開をしているところであります。 特に、基盤整備については、島原半島が平地に乏しく、傾斜地で、耕地の大半は畑地帯であることから、圃場や農道及び環境基盤等を総合的に整備をしてまいりたいと思っております。 次に、農産物を高く安定して販売するためには、ブランド化を図ることが重要でございまして、このため品質の向上や計画的出荷、さらには消費宣伝等の販売促進活動の強化にも取り組んでまいります。 また、後継者育成対策といたしましては、基本的には他産業並みの労働条件で、他産業に遜色のない安定した所得を実現できる経営を確立をすることが必要でありまして、各種施策を総合的に推進してまいりたいと存じます。 さらに、農村女性対策といたしましては、農村女性が喜んで農業に取り組んでいくためのシステムして、家族経営協定の締結や、各種研修の充実等に努めてまいりたいと存じます。今後とも、島原半島の農業振興のためになお一層努力してまいりたいと存じます。 次に、葉たばこの振興対策でございますが、島原半島の葉たばこは、雲仙普賢岳災害で壊滅的な被害を受けましたけれども、圃場整備が完了した水無川流域におきましては、近年作付が増加をしておりまして、貸借による農地を含め、現在約五十ヘクタールに作付がされております。 葉たばこは、御承知のとおり、安定した作付面積の確保を目指す安定面積構想に従いまして契約生産が行われておるわけですが、全国の栽培面積は現在約二万六千ヘクタールと、その構想の下限に近く、さらに現在のところ拡大が可能でございます。 このようなことから、県におきましては、葉たばこを「園芸振興プラン二〇〇一」の振興品目として位置づけておりまして、本年六月には、県、関係市町村、耕作組合等による「県葉たばこ振興協議会」を設立をいたしまして、関係機関一体となり振興に取り組んでいるところでございます。島原半島では、圃場整備地区での作付拡大、省力化のための施設等の整備と、規模拡大及び新規参入の促進等を重点的に支援することといたしております。 葉たばこにつきましては、安定した収益性の高い農業の育成という観点から、今後とも関係機関と連携を取りつつ、振興に努めてまいりたいと存じます。 次に、自律ある夢と希望の持てる長崎県を築くため、県民総参加の県政についての中で、科学技術による農水産製品の高付加価値化についてのお尋ねでございますが、科学技術の活用によります特色ある特産品づくりに取り組むことは、これからの本県農林水産業の発展にとりまして、特に重要であると認識をいたしております。 このため、県といたしましては、食味のすぐれたビワやバレイショ等の品種改良、バイオテクノロジーによります優良肉牛づくり、ビワを材料とした長崎ビワワインなどの新商品の開発、改良、また親魚の成熟促進手法を用いました種苗生産技術の確立による新養殖魚種の開発、レトルト・高圧処理等の先端機器を使った新しい水産加工製品の開発等に取り組んでおりますが、今後とも総合農林試験場や総合水産試験場、また工業技術センターを中心として、大学や民間機関等との連携を深めながら、科学技術の向上を図り、長崎らしい地域特産品の開発とブランド化に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(南条三四郎君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(水谷正君) 島原半島の観光の振興対策についてのお尋ねでございます。 島原半島は、議員も御指摘のとおり、自然景観、歴史、文化にもすぐれたものが数多くあり、本県における重要な観光拠点の一つでございます。「がまだす計画」の中でも歴史、自然、火山観光等の特性を生かした五つの観光ルートを設定し、観光客の多様なニーズにこたえ得るものとなっております。県といたしましては、これらのPRを積極的に行っているところでございます。今後とも、「道の駅」、「緑のダイヤモンド計画」、「雲仙岳災害記念館(仮称)」等のハードの整備にあわせて、常に情報発信を行うとともに、長崎市やハウステンボス等と連携した広域的な観光ルートを設定して、観光客の誘致に努めてまいりたいと思います。 次に、そうめんの振興対策についてのお尋ねでございます。 島原地域における一大産業であります「島原手延べそうめん」は、生産量において全国第二位を誇り、味においても一級品との評価を受けているものの、産地としての一本化がなかなかできず、他産地に大きく後れをとり、今日に至っていることは大変残念に思っているところであります。 過去において、県としても産地の一本化、統一ブランドの確立、品質の均一化等、産地と一緒に取り組んだこともありましたが、今日このような状況になっているわけでございます。これを打開するには、産地の皆様が結束し、そうめんを産地化する、ブランド化するんだという機運が高まることがまず第一ではないかと考えております。県としても、そうめんの振興については引き続き支援をしてまいりたいと存じております。 以上でございます。 ○副議長(南条三四郎君) 企画部長。 ◎企画部長(溝添一紀君) 地域の個性が響き合う長崎県・地域主導型のまちづくりとはということのお尋ねでございます。 今日、国、地方を通じまして厳しい財政状況の中で、廃棄物対策、あるいは介護保険の導入などに代表されます地方の新たな行政需要に対しまして、どのように財源、あるいは人員を確保し、各種施策の充実を図っていくかということが、当面、喫緊の課題となっております。 広域行政の推進は、このような行政改革、あるいは地方分権等の観点から、まさに時代の要請であり、県としてはもとより、市町村におかれましても、広域的な視点に立った効果的な地域づくりの推進が求められております。そのための具体的な取り組みといたしまして、各市町村におかれて地域が有する資源、あるいは人材をみずからの創意工夫により最大限に生かしながら、時代とともに大きく変化してきた生活圏を同じくするところの広域行政圏の中で、地域の個性に応じた公共施設の広域的利用、あるいは整備を計画的に推進するとともに、住民総参加によるまちづくりを積極的に進めてまいりたいと存じているところでございます。 それから、アジアの発展を長崎県の振興にいかに結びつけるかというお尋ねでございます。 中国、あるいは韓国を初めとします東南アジア地域のエネルギーを積極的に吸収しつつ、ともに発展を目指していくことは、本県の振興上でも大変重要なことと存じます。今後とも、これまでに築き上げてきました種々のネットワークを最大限に活用しながら、本県の海外事務所などを拠点として友好交流、経済交流、技術交流をさらに促進しまして、アジアとの間で人と物が活発に行き交うような文化圏、経済圏の構築に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(南条三四郎君) 教育長。 ◎教育長(出口啓二郎君) 生涯学習、文化、スポーツに親しむ機会の拡充強化についてお答えをいたします。 県民一人ひとりが生涯にわたり、いつでも自由に学ぶことができ、創造的な文化活動に参加したり、気軽にスポーツに親しむことができるような、豊かで潤いのある生活環境を実現していくことは大変重要なことと認識をいたしております。 生涯学習の充実につきましては、昨年度、「ながさき県民大学」を開講し、各機関で実施している講座の体系化を図るなど、県民が学びやすい環境を整備したところでありますが、今後さらに県民のニーズに合った講座の拡充や学習情報の提供を図り、生きがいに満ちた生涯学習の実現に努めてまいります。 次に、文化面においては、県民文化祭や県美術展覧会などの文化イベントの開催を初め、子供たちにすぐれた舞台芸術を鑑賞する機会を提供するなど、青少年文化活動の充実や文化団体が行う文化事業に対する支援、民俗芸能の保存公開などに取り組んでおります。 また、本県の中核的文化施設として、佐世保市に県民文化ホール(仮称)を建設しているほか、県立美術博物館においては、魅力ある企画展覧会や地方移動展などを開催するとともに、平成十一年度からは立山公舎を当面、美術博物館新別館として活用してまいります。 一方、スポーツにおきましては、市町村が行う生涯スポーツ振興事業への支援や各種スポーツ、レクリエーション大会の充実、地域に根差したスポーツクラブ育成のための指導者の養成など、生涯スポーツの振興に努めているところです。 今後の取り組みとしては、「生涯スポーツ振興プラン」の策定を図り、必要な施設の充実、スポーツ団体の組織化、指導体制の整備を体系的、効果的に推進したいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(南条三四郎君) 末吉議員-四十二番。 ◆四十二番(末吉光徳君) 答弁ありがとうございました。 知事に質問したわけですが、知事の後援会がこのパンフレットをつくるときには、恐らく知事が一つ一つやはり目を通して自分のパンフレットになっているような、私は気がします。そういうふうな知事の公約について、もう早速、部長さんたちも理解して、知事にかわって答弁ができるというのは、私は本当にいいことだなと、こう思っております。 私は、この公約を、もう言うなという人もいますが、私はこれをずっと見て文章にして、これは寝る前にお経がわりに毎日読んでおります。そのくらい、いいことを書いてあるというようなことで、一応知事もせっかくこう思い立って公約をしたわけですので、こういう議場ででも思い出していただいて、始まったばかりですが、やはり初心に返ってやらないと、上がる前に考えておったことと、県庁の優秀な人たちからいろんな話を聞けば、知事もなるほどそうかなと、公約はこうしておったけど、そうできないかなというふうになってしまっては、せっかく知事のそういう初心に投票した人たちに対してもすまないと私は思いますので、なるだけ頑張って、自分の主張をみんなに言って、理解してもらって、政策にしてもらいたいなと、こういうふうに思います。例えば諫早から愛野までつくるというのも、ああ諫早から愛野まで高規格道路をつくらんといかぬなと、私は聞いておったわけですが、当選すると、あの四車線のことは私は黙っておりましたが、そういうことになれば、いろんな難しい問題が聞けば出てくるわけですけど、島原半島の者としては高規格道路に乗って、東京からずっと信号のない高速道路を走って帰りたいわけです。それを諫早から下りて、四車線、そして、また愛野から乗っていかなければいかぬということでは、どうしてもいかぬというようなことに思いますので、そういうようなことで、自分の考えておったことを四年間にどうしても、できるだけ実行するんだという、そしてまた職員の人たちもそれが県民の声だと思って一生懸命頑張っていただきたいなと、こう思います。 なぜ私がほめたような、日本一の知事だと、こう言うかというと、本当に日本一の知事ではないかなと、私はこう思うわけです。選挙の前には私は余り知らぬもので、あがん金子のようなのには一週間あれば勝つと言う人もおるぐらい言われておったわけですので、それがいざ選挙してみれば十万票から引き離して当選して、そして演説会で聞いておりましたが、知事公舎には住まないという演説を聞きながら、こんなことをここで言わぬで、ほかのことを言うた方が票になるとでと思っておりましたが、やはりそれを当選後やり遂げられておるというか、やっておられるというような、やはり心の底に秘めた、五十何年かかって知事に選んでもらったわけですので、次はわからぬわけですので、四年間のうちにある程度ぴしゃっとやらんといかぬわけですので、そこの強い意志があるなと。そして、私はその選挙のときの演説を聞きながら、私は、お父さんは自民党で頑張っておったけど、県議に当選したら自民党に入らぬで無所属で頑張っておったと、六年間頑張っておったという話を聞きました。私も五年間頑張ってみましたが、自民党に入らずに県議会で頑張るというその強さというか、本当におやじは自民党におるのに、入らぬで頑張ったと。私はそこがまた本当に金子知事が、全く素人から知事になったばかりのときにそういうことをそなえておられたということで、本当にこれは県民の代表だなと、県議会というのは与党も野党もない。知事は直接県民から選ばれるわけですので、議員全部が反対しても当選する可能性はあるわけですので、やはりそういうのを理解しておられたと。国会議員になると、やはり自分たちで総理を決めんといかぬし、そして参議院選で負けてもまだ自分たちが頑張っておれば、解散をしなければ、多数を持っておればされるし、そういうふうに自分が頑張ろうと思っても解散して、また選挙があるとか、いろんなことがあるわけですが、そういうようなことで頑張っておられたと、そういうふうないい面がいっぱいあるような気がします。住民の声をやはり県政に反映するんだと、県政は県民のためだということを、口では、選挙ではみんな言うわけですけど、なってしまったら、そういうことにならないわけで、私は今まで選挙を応援してきて、だれを応援しても、終わってしまったときには、我が出たがましと、こういうふうに思うので、私は県議に出たわけですが、今まで国会議員でも応援したら、終わってしまったら、これ、おいがましたいと、こう思うわけですけど、この金子知事だけはとてもじゃなか、俺たちはかなわぬと。俺たち以上に本当に働く人とか、弱い人のことを考えて、反対に、うかつに物を言うたらやり込められるのではないかというぐらい腰の座った、いい知事だと、そういうふうに思いますので、本当に今の考えをやり抜いてもらいたいなと。私はこの家族協定や男女共同参画社会なんかのことも言われておりますが、あるニュースで見たわけですが、家族協定を結んで、農家の奥さんが月に一遍、休みが決まってできたと。月に一万円小遣いをもらうようになったと。決まって給料がもらえるようになったと、うれしいと。本当に書いてあるのを見れば、まだまだ、例えば知事が副知事に女性をするんだと、私はこういうのはだめだと、こう思います。やはり今の状態では男の人が副知事で、女性を副知事にするというわけじゃなくて、そういう末端の、一番末端で働いておる人たちの女性がどんなに生き生きして大事にされているかということを先にせぬと、副知事になったその女の人は、女性であるけど、男よりも頭が切れる、男よりも何でもできるというような、そういうふうな人だろうと、こう思うわけで、そういうことじゃなくて、本当に県民の隅々までそういう男女共同参画社会づくりの、これができるような、そして金子知事ならばまたそういうのができると私は思います。そしてまた、このパンフレットで考えますと、これだけパンフレットを県民にばらまく、このパンフレットを国会議員をしている金子さんが出馬するのに、新幹線や県庁の建てかえや三県架橋が書いてないという、こういう立派なパンフレットを見て、私は感激するわけです。それは、知事になったら三県架橋も大事だ、県庁も絶対建てかえんといかぬ、新幹線もせんといかぬと、そんなのは県民と約束しなくても、本当に頑張らにゃ。しかし、知事として本当にせんといかぬことは、あなたたちの楽しい生活が、本当にあなたたちの身近なことをせんといかぬ、そういうことでこのパンフレットができておるということで、私は本当に日本中探しても、こんなパンフレットをつくる知事候補はいないのじゃないかと。国会議員までして、おやじは大臣までしておったという息子が、こんな末端のことがわかる、そういうことを公約したわけですので、どんな偉い、どんな応援して、何万票でも加勢した人の言うことを聞かぬでも、本当に自分の信念に基づいて、県民一人ひとりを大事にした政治をしてもらいたい。そのために私はこの「政策審議室」というのも、政策審議室をつくって代表の人が寄っても、いい知恵を出してくれる人もおるけど、その人たちが県民を代表しているかどうかというのが問題がありますので、そこを見抜く知事になってもらわんといかぬ。金子さんならばできると、こういうふうに思っておりますので、私はそういう意味から本当に、私は今度しかできない質問をしたつもりですので、公約実現のために一生懸命、真面目に頑張ってもらいたい。私たちも一生懸命協力しますので、そういうことで、最後に一言、やりますでもいいですので、よろしくお願いします。(笑声) ○副議長(南条三四郎君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) ただいま末吉議員の長年の経験に基づいて、いろいろな御指摘を踏まえて御意見等がございました。私もこういった議員の一つ一つのお考え方、また御指摘というものを大事に受けとめながら、これから県政をやっていく上において大事に考えながら、そのように、そして、がまだす、一生懸命頑張って取り組んで、県民の期待にこたえるような、そういう県政をつくりあげてみたいというように思っておりますので、どうぞ御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。 ○副議長(南条三四郎君) 吉川議員-十番。 ◆十番(吉川豊君) (拍手)〔登壇〕今県議会の一般質問の大トリを務めさせていただきます、大村市選出、自由民主党・県民会議の吉川 豊でございます。 一般質問に入ります前に、議員皆様方の御協力で初めてこの壇上に立たせていただくわけでございます。そういうことで、公式の場の発言として金子知事へ遅ればせながらのお祝いと激励、職員の皆様、そして県議会先輩議員の皆様方へおわびと感謝の意をあらわし、今後の御指導、御協力をお願いすべく、一言、所信を述べさせていただきます。 金子知事、五カ月前の二月二十二日の選挙で、優秀な成績で長崎県知事に初当選を果たされました。知事選ともども二人三脚で県議補選を戦いました私としましては感慨ひとしおのものがあり、お喜びを申し上げます。 金子知事が御壮健で、一歩でも二歩でも長崎県民の幸せのために関係の皆様方と力を合わせ、長期にわたって御活躍をされることを心より祈念いたします。 また、大村市の補欠選挙は不祥事後の選挙でありました。私、補欠選挙で大村市から選出されました議員でありますれば、先輩議員の不祥事とはいえ、県民の皆様方が県議会議員の皆様方へ少なからずの不信感を持たれたことに対し、心よりおわびをし、私、議員の倫理観というものを模索しながら襟を正していく所存でございます。でき得ますれば、議員同士の情報交換やお互いを牽制することなどにより、よりよい政治活動ができますよう、御指導、御協力をお願いいたします。 また、県央大村市の発展のため、萱瀬ダムの再開発、国道四四四号の整備や、今回、大村市体育文化センター、すなわち「シーハットおおむら」のオープンに当たりましては、県の物産展を開催していただくなど、行政の関係各位の皆様方の配慮に感謝しつつ、知事並びに関係部長へお尋ねをいたします。 一、県央大村地区における道路網の整備について。 諫早市、大村市を中心とする県央地域は、比較的平地に恵まれており、県土の高速交通の拠点という条件もあって、産業の立地や人口の集積が進んでおり、県勢発展の拠点の形成を図る上で非常に重要な地域でありますので、今後ともこの交通拠点という条件を生かしながら、地方拠点都市を担う地域として、基盤施設の整備拡充やレクリエーション機能の集積、定住環境の整備を促進するなど、若者にとって魅力のある地域としての整備を進める必要があります。このような立地整備、活動の機軸となる道路網については、長崎市を初め、各地域との連携を強化するため、国道三四号線、五七号線、二〇七号線、四四四号線などの整備を促進するとともに、主要地方道大村貝津線等の整備により、地域内の幹線道路網の形成が必要であります。 また、大村の都市部の交通混雑を解消するためには、市街地内の道路網の整備を図る必要があり、都市計画街路の杭出津松原線や久原梶ノ尾線の整備を促進する必要があると考えます。これらの主要な道路の整備のうち、国道四四四号線と県道大村貝津線につきましては、両路線ともに整備のめどが立っているようでありますし、特に、杭出津松原線は来月の八月にも全線が開通するとのことであります。 聞くところによりますと、道路の整備は五カ年ごとに全国的な整備計画をつくり、一定の目的に向かって整備が進められるとのことで、今年度はちょうど新しい五カ年計画の始まりで、投資の規模も前の五カ年計画よりも上回っているとのことですので、今後の道路整備に期待をし、また協力もしていきたいと考えております。 そこで、大村市内の交通混雑の緩和の観点から、国道三四号線の拡幅及び渋滞緩和策等についてお尋ねをいたします。 国道三四号線の大村市役所前付近については、平成三年度、ちょうど金子知事が建設政務次官のときだったと思います、次官室でお会いしたのを覚えておるわけでございます。杭出津から久原までの三・七キロメートルを幅員三十メートルに拡幅する計画が、建設省により大村拡幅として事業化され、現在までに琴浦橋から大村市役所前までの右折、左折帯はできましたが、全線の対応はできておりません。大村公園前の玖島交差点は今年から改良工事に取り組まれるようですが、今後の全体の見通しはどのようになっているのでしょうか、お聞かせください。 また、久原梶ノ尾線の早期建設を地元でも要望しているところでありますが、今後の見通しと進捗状況はどのようになっているのでしょうか。 次に、大村市と佐賀県鹿島市とを結ぶ国道四四四号線の整備につきましては、現在、県境付近の黒木地区におきまして重点的に改良事業を進めていただいておりますが、大村市内の国道四四四号線の全体の整備の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。また、長崎県と佐賀県が双方から工事を実施されている平谷黒木トンネルも、長崎県側は今年度完成予定と聞いておりますが、佐賀県側の進捗はどのようになっているのでしょうか。 二、久原養護学校の移転改築についてお尋ねをいたします。 心身に障害を持つ子供たちの社会的自立を促進するためには、一人ひとりの能力、適性や発展段階に応じた適切な教育を行うことが極めて重要であります。県教育委員会におかれましても、障害児教育の重要性を認識され、教育環境の整備、充実に努めておられますが、今後ともさらなる充実、拡充を期待するものであります。 さて、昨年四月に県民の強い要望もあって、しまや遠隔地に住む知的障害のある子供たちの高等部への進学希望にこたえるため、交通の利便性やよりよい教育効果などの観点から、大村市にあります久原養護学校に高等部を開設されましたが、校舎はプレハブの建物で、寄宿舎も学校から離れて設置されるなど、教育環境としては必ずしも十分であるとは言えないものであります。 もともと、現在の敷地は狭隘な敷地で、本校舎も建築後相当年数を経過し、高等部とあわせて、学校環境の全体的な整備が必要な時期にきているのではないかと考えておりましたところ、今回の補正予算に移転改築に向けた基本設計費が計上されましたことは、まことに喜ばしいことであります。 ところで、社会の変化に伴う子供たちの個性や能力の多様化に対応した教育のあり方が問われております。特に、養護学校に在学する子供たちはおのおのにハンディキャップを持っており、個々の子供たちに応じた教育をより充実したものにするため、先生方は日夜研究、研さんを重ねておられることと思います。このたびの久原養護学校の移転改築に当たり、県央の立地条件に恵まれた場所でもあり、学校としてだけではなく、先生方が同時に研修、交流ができる施設にしてみてはいかがかと考えます。 そこで、移転改築に関する基本的な考え方について教育長にお尋ねします。 (一)学校は学習の場であるとともに、子供たちが一日の大半を過ごす生活の場でもあります。特に養護学校ということで、安全の確保はもとより、交流の場、憩いの場の設定など、ゆとりある豊かな教育環境を確保することが必要ではないかと考えます。そういった意味で、移転を予定されている場所は、現在地に比べ教育環境として恵まれた場所と思いますが、現時点でどのような規模と内容を持った施設を考えておられるのか。また、今後の具体的な日程はどのようになっているのか、お尋ねします。 (二)現在、久原養護学校には、自宅から通学できない子供たちのために寄宿舎が設置されておりますが、今回の移転に当たっては寄宿舎もあわせて整備されるのか。もし整備される場合は、希望する子供たちはすべて入寮できるような規模と、遠くに住んでおられる保護者が安心して子供を預けられるものにしなければならないと考えますが、寄宿舎整備に対する考えはどのようなものか、お尋ねします。 (三)現在の学校は新興住宅地に隣接し、国立大村病院や都市公園も間近にあるなど、絶好の場所に位置しております。移転後の跡地は、建物を除けば相当の広さになると思いますが、今後の活用策が現時点であられればお聞かせください。 三、企業誘致、地場産業の育成についてお尋ねいたします。 大村市では、現在、十数年前に誘致しましたコマツ電子金属が着実に発展し、雇用増大に尽力していただいているところであります。このような実例を踏まえるまでもなく、企業の誘致は県勢発展の大きな柱であります。そのためにも地元受け入れ自治体としてはいろいろな優遇措置を講じ、誘致を図っておられるところであります。これは企業誘致が雇用の創出や地元経済への波及という、地域振興に大きな効果をもたらすからであります。また、誘致企業と地元企業間で新たな取引が生まれることで、地元企業の技術力の向上や経営の高度化なども期待されるわけであります。しかしながら、実際に誘致企業に話を聞いてみますと、誘致企業が地元企業と取引をしようとしても、取引できる企業が非常に少ないと聞きます。せっかく県外から企業を誘致しても、地元企業への波及効果という面からすると、効果が余り出てないのではないかと考えられます。 その考えられる理由といたしましては、誘致企業、つまり発注者側が要求する技術とか、コスト、あるいは品質などに地元企業が十分こたえることができないなど、いろいろな理由が挙げられるのではないかと考えられます。 一方、地場企業側から見ますと、誘致企業から取引する機会そのものが非常に少ないし、技術的に対応できない、あるいはコスト的に同業の県外企業に対抗できないなどの問題があるのではないかと考えられます。そこで次の点についてお尋ねします。 誘致企業から地元企業への受注の機会を増やし、企業の育成を図るべきではないのか。そのための支援をどのようになさろうと考えておられるのか、お尋ねします。 また、工業技術センターや産業技術振興財団等において、地元企業の技術の相談、指導をより積極的に行うことはできないのか。あるいは、コスト削減のための設備等の改善など、経営面での指導はできないのか、お尋ねいたします。 その他の件で一件だけ。 現在、大村には「オフィスパーク大村」が、平成五年に地方拠点法に基づく「長崎県央地方拠点都市地域」の指定を受け、地域振興整備公団が日本で初めて事業を採択され、雄ケ原町に平成七年造成工事に着手されました。五十億円の巨費をかけ、平成十年三月、造成工事が完工し、三十二・九ヘクタールのうち分譲対象地十八ヘクタールで、十八区画が造成され、でき上がったわけでございます。今年四月から分譲が開始されたところでありますが、現在、非常に景気が冷え込んだときでもあり、分譲に対しては大変御苦労をなさっていると思いますが、今後どういう体制で、どのように取り組んでいかれるのか。また、現在の状況はどうなっておるのか、お聞かせください。 壇上からの質問はこれにて終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(村山一正君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕吉川議員の御質問にお答えいたしますが、その前に、このたびの知事選に関しまして、お祝いの言葉と激励のお言葉をいただきまして、壇上から厚くお礼を申し上げる次第でございます。 それでは、誘致企業と地元企業との取引の拡大を図るために、どのような支援を行うのかというお尋ねでございますが、企業誘致の目的は、魅力ある雇用の場の創出、県民所得の向上などとともに、地域経済の活性化を図ることにあり、そのため、できるだけ地元企業へ波及効果のある先端技術型や高付加価値型の企業の誘致に努力しているところであります。 誘致活動に当たっては、県内への立地の優位性を最大限にアピールするとともに、地元企業の情報も提供して、誘致企業と地元企業間の取引の促進を図っているところであります。しかしながら、御指摘のとおり、実際の取引になりますと、地元企業の技術力、コスト対応力などの不足により、取引が少ないという問題があるのも事実であります。 県といたしましては、今後、地元企業の受注機会を拡大するよう、企業情報の提供や工業技術センターなどによる技術支援、あるいはコスト削減面での経営指導に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 工業技術センター等での技術の指導についてのお尋ねでございますが、県内中小企業に対する技術支援につきましては、工業技術センターと長崎県産業技術振興財団が重要な役割を果たすことは御指摘のとおりであります。 工業技術センターは、地域中小企業の技術支援のよりどころであり、広く県民に開かれた試験場。産・学・官を連携した工業技術振興の拠点。工業技術に関する情報センターの機能を有する施設として、これまで施設や設備の充実を図るとともに、研究員の資質の向上にも努めて、県内企業の技術支援を行ってきたところであります。 一方、長崎県産業技術振興財団は、本県産業の振興を図るため、中小企業の技術相談や技術開発援助、債務保証、研修事業などを行っており、両機関が今後連携を取りながら、県内企業の技術水準の向上に努めてまいりたいというふうに思っております。 また、両機関は誘致企業の多い大村にあり、誘致企業と地元企業との技術の橋渡しをするのにも適しております。今後、地元企業が誘致企業の要求する技術レベルに対応できるよう、両機関を通じてより積極的に技術支援に取り組み、地元企業と誘致企業との取引の拡大が図られるように努めてまいりたいと思っております。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁させていただきます。 ○議長(村山一正君) 土木部長。 ◎土木部長(梶太郎君) 国道三四号線、大村拡幅についてのお尋ねでございますが、一般国道三四号線につきましては、大村市役所付近におきまして交通混雑が著しいことは十分認識いたしております。この混雑解消のため、平成三年度に、大村拡幅として大村市杭出津から久原までの三・七キロメートルの区間が国の直轄事業に採択されております。 当面の対策として、平成五年度までに幸町で右折車線を付加する工事が完成し、引き続き、八年度には幸町から大村高校までの六百メートルの区間におきまして用地交渉が開始されました。本年度は通常の予算のほかに用地国債も設定いたしまして、本格的な用地買収を行う予定と伺っております。今後とも早期整備を国に要望してまいる所存でございます。 次に、国道四四四号線の進捗状況についてのお尋ねでございますが、大村市内の一般国道四四四号につきましては、黒木、田下、坂口の三地区で整備を進めております。このうち、黒木地区につきましては、計画延長約六キロメートルのうち萱瀬ダム周辺の約二・七キロメートルの区間を、ことし四月までに順次供用させました。残る約三・三キロメートルの区間につきましては、佐賀県との県境部を貫く平谷黒木トンネルを含めて、本年度中に完成いたします。また、田下、坂口の両地区につきましては、今後も地元の協力を得て、用地取得の促進を図ってまいりたいと考えております。 次に、平谷黒木トンネルの佐賀県側につきましては、本県と同時、すなわち本年度中に供用できるというふうに聞いております。 次に、久原梶ノ尾線の今後の見通しと進捗状況はどうかということの御質問でございますけれども、都市計画道路・久原梶ノ尾線につきましては、全延長六千三百メートルのうち、県事業といたしまして、国道三四号線分岐の久原二丁目から木場一丁目までの約八百メートルを平成五年度より着手し、現在の進捗率は約七〇%となっております。木場一丁目から赤佐古町までの約千三百メートルを平成九年度より着手いたしまして、現在、用地取得を鋭意進めているところであり、今後とも事業促進に努めてまいりたいというふうに考えております。 また、大村市事業の延長千三百メートルにつきましても、平成五年度から事業中でありまして、現在の進捗率は約二〇%でございます。 なお、既に供用開始している区間延長は約千五百メートルで、残りの未着手区間約千四百メートルにつきましては、事業の進捗を見ながら大村市と協議をし、検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 教育長。 ◎教育長(出口啓二郎君) 久原養護学校の移転改築についてお答えをいたします。 まず、規模及び内容はどんなものかというお尋ねでありますが、豊かな学校環境が児童生徒の情操を養い、学習効果を高める上で重要な要素であることは議員御指摘のとおりでございます。 久原養護学校には、現在、小学部、中学部、高等部合わせて二十五学級、百三十一名の児童生徒が在学しておりますが、高等部が三学年までそろう来年度には、二十七学級、百五十名程度の規模となり、将来的にもこの程度で推移していくものと考えております。 改築に当たりましては、児童生徒の障害の重度化、重複化も考慮しながら、より充実した学習活動ができるよう、必要な教室や実習施設を整備するとともに、プレイルーム、ランチルーム等、交流、憩いの場の確保についても配慮したいというふうに考えております。 改築のスケジュールでございますが、今後の改築スケジュールといたしましては、平成十四年四月の開校を目標に、本年度は基本設計、十一年度に実施設計、十二度から十三年度にかけて校舎、体育館等の建築、十四年度に運動場等の整備を予定しております。 寮、寄宿舎等の対策についてお尋ねでございますが、寄宿舎につきましては、県下の養護学校の適正配置及び昨年度高等部を開設した経過等を踏まえ、学校の移転、開校にあわせて同一敷地内に建設することとしております。その際は、希望者のすべてが入寮でき、安全で快適な施設として整備したいと考えております。 跡地の活用でございますが、移転後の学校跡地につきましては、今後、庁内各部で有効な活用策を検討していくことといたしております。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(水谷正君) 地場企業が取り組むコスト削減のための設備等の改善などについての経営面での指導についてのお尋ねでございます。 企業経営に関する相談・指導につきましては、中小企業者に対し診断士等の専門家を派遣し、経営の実態や将来計画、経営環境などを調査、検討の上、コストダウンを初め、経営の合理化、近代化のために改善すべき事項及びその方法などについて提言、指導を行っているところでございます。 また省力化など、コスト削減のための設備投資等につきましては、設備近代化資金や創造的中小企業支援資金など各種融資制度により、その支援に努めております。今後とも地場企業の体質強化のため、経営指導及び資金面からの支援に努めてまいりたいと考えております。 次に、「オフィスパーク大村」の企業誘致推進体制と、その取り組み状況についてのお尋ねでございます。 「オフィスパーク大村」につきましては、議員御指摘のとおり、平成七年三月に着工し、平成十年三月完工して、本年四月から公募を開始されております。現在までに四社から契約ないし仮契約をいただいております。 誘致活動に当たっては、県、地域振興整備公団、大村市との三者で「オフィスパーク大村誘致推進協議会」を設置し、一致協力体制のもと、積極的に展開をしております。 また、ここに立地する産業業務施設に対する優遇措置として、本県独自の設置奨励補助金制度を創設し、立地促進を図っております。 昨年は、関東、関西、福岡方面の企業七十四社及び県内企業十七社を訪問するとともに、現地視察会の開催、立地意向に関するアンケート調査等による情報収集、電照看板等による広報宣伝等を行いました。 企業訪問に当たっては、頭脳立地法に定めるソフトウエア業、エンジニアリング業、デザイン業などの頭脳産業業務施設、航空関連産業業務施設、高速交通機能活用型の産業業務施設、FAZ関連施設、並びに研究所について重点的に行っております。今後も地方拠点都市地域の整備を促進する産業業務施設の立地が早期に進みますよう、三者で連携、協力しながら企業誘致活動を積極的に行うことといたしております。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 吉川議員-十番。 ◆十番(吉川豊君) ちょっと順序が逆になるわけでございますけれども、「オフィスパーク大村」の件で再質問をさせていただくわけでございます。 大体、その名前からするとオフィスなんですね。そういたしますと、私たちが心配しておるのはオフィス業務だけで、例えば企業等の工場というのですか、そういうものへの取り組み方もされるのかどうか、そこら辺がちょいちょい話題になるわけでございますけれども、その点は基本的に、県、市あたりでどのような詰め方をされておられるのか、されておられればお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(村山一正君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(水谷正君) 「オフィスパーク大村」につきましては、これは製造業は対象にしておりませんで、産業業務施設ということで、営業所、研究所等の施設でございます。製造業は今のところ除外をされております。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 十番。 ◆十番(吉川豊君) そこで、そうなってくるとオフィスを別に一カ所つくらなければいかぬとか、業務施設を別個につくらなければいかぬというふうなことで、各会社で二重投資になるのではなかろうかというふうな懸念も聞いたわけでございますけれども、そこら辺は、やはり工場等は一貫してしないで、オフィス、産業業務施設としてやっていかれるわけなんですね。 ○議長(村山一正君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(水谷正君) この「オフィスパーク大村」の事業につきましては、本来のもともとの目的は東京都あたりの業務施設が足らないと、そういう状況の中で地方にその業務施設を移そうということで最初つくったものでございますので、最初から、目的としては工場の部分は除かれておりますので、御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(村山一正君) 十番。 ◆十番(吉川豊君) それから、国道三四号線でございますけれども、金子知事も知事になられてから国の直轄事業だというふうなことでおっしゃっておるわけでございますけれども、今度五カ年計画等で、見直しで予算も前よりついたというふうなことでございますけれども、三四号線の今後の見通しというのは、まだ全然立っていないわけでしょうか。 私たちが聞いたところによりますと、日見バイパスが開通してしまえば、五七号線か、三四号線か、どちらかをしないといけないだろうというふうなことでお聞きしたわけでございますけれども、そこら辺の、今後の長期にわたった見通しというのが立っておればお聞かせください。 ○議長(村山一正君) 土木部長。 ◎土木部長(梶太郎君) 国道三四号線の見通しということでございますけれども、先ほど私の方で申しましたように、幸町から大村高校までの六百メートルの区間に今事業をしているということで、それも今用地交渉の段階で、その用地交渉の進捗率も二・二%ぐらいということで、非常に低率でございまして、これから用地交渉を始めて、もう少し用地取得が進んだ段階で初めて見通しが出てくるのかなと思っております。これは、今、さらにこの見通しを難しくする原因としましては、公共投資の抑制、今年度は確かに補正予算がついておりますけれども、これは今年度だけのことで、また来年度はどうなっていくかということはわかりませんので、そういった公共投資の抑制の中で、しかもこの場所に限りましては、そういった用地取得も小さいということで、それをあわせますと、なかなか見通しが厳しいという状況でございますので、御理解願いたいと思います。 ○議長(村山一正君) 十番。 ◆十番(吉川豊君) やや後退したみたいな感じがするわけでございます。というのは、当初の話ではもう土地の買収にかかるから、その替え地として、そういう土地をかなり準備しておくようにというふうなことで、私たちも話を聞いておったわけでございますけれども、現在はまだそこまでもいってないというふうな解釈の仕方でいいわけですか。 ○議長(村山一正君) 土木部長。 ◎土木部長(梶太郎君) 先ほど申しましたように、用地の取得が非常に低率だということで、このことに関しましても、我々の方は何とか国にお願いして、少しでも早く進めていただくようにいつもお願いしているのでございますけれども、今後も引き続きまして、国の方には、一般改築事業であっても、我々の生活に対する非常に重要な路線でございますので、ぜひとも整備を進めていただきたいということで、強くお願いしていきたいというふうに思っておりますので、御理解をお願いいたしたいと思います。 ○議長(村山一正君) 十番。 ◆十番(吉川豊君) 久原梶ノ尾線の総体的な見通しというのが、大村では平成十五年ぐらいには全部でき上がってしまうんではなかろうかというふうなことを聞いておるわけでございますけれども、多分、久原工区の方が県でなさっていらっしゃるわけなんですか。 それから、三城、水計、それと木場工区と、そこらは大村市でやっておるというふうなことで聞いておったわけでございますけれども、まだこの方も総体的な見通しとしては立っていないわけですか。 ○議長(村山一正君) 土木部長。 ◎土木部長(梶太郎君) 久原梶ノ尾線の方の、特に、今一番進んでいる工区が久原工区でございまして、これが大体進捗率が七〇%ということを申し上げたのでございますけれども、本当は見通しも立ってよろしいところなんでございますけれども、どうしても用地の問題で非常に難しいところがございまして、これを解決しなければ、なかなか先に進まないという状況になっております。我々としましては、この用地を解決すべく必死に努力しているところでございますが、これがいけば、いつまでにはできるというふうなことが我々としては申し上げられると思います。 以上でございます。
    ○議長(村山一正君) 十番。 ◆十番(吉川豊君) それから、久原養護学校の件でございますけれども、ちょっと聞き漏らしたと思うのですけれども、建物自体は平成十三年ぐらいに計画をなさっていらっしゃるわけですか。 ○議長(村山一正君) 教育長。 ◎教育長(出口啓二郎君) そのとおりでございます。 ○議長(村山一正君) 十番。 ◆十番(吉川豊君) それと、寄宿舎には二十七学級、百五十人の生徒がおるといたしますと、地元から通う人もおると思いますので、大体その百人ぐらいのめどを立てていらっしゃるわけですか。 それから、その子供たちの親御さんたちの対応まで考えて、例えば遠方からお見えになった場合、その親御さんたちの対応まで考えておられるのかどうか、お聞かせください。 ○議長(村山一正君) 教育長。 ◎教育長(出口啓二郎君) 寄宿舎の規模といたしましては、現在が八十三名入寮しておりますので、これが今、高等部が二年生までですから、これが三年生になった場合には、十四年度の見込みでありますが、開校する時点では百名程度は寄宿舎に入るであろうというふうなことで、今そういう規模の寄宿舎をつくろうということにいたしておりますが、ただ、保護者がそこに宿泊できるのかどうかというのは、今のところそういうことは考えておりません。 ○議長(村山一正君) 十番。 ◆十番(吉川豊君) それから、先生たちの研修、交流の施設等ができないかというふうなことでお聞きしたわけでございますけれども、その面に関しましては何か、例えば日本で見本となるような施設をつくろうとかいう、そういうお考えはないわけなんですか。 ○議長(村山一正君) 教育長。 ◎教育長(出口啓二郎君) 最初の質問でも御答弁申し上げましたが、教育環境が子供に与える影響というのは大変大きなものがありますので、教育委員会といたしましては、できるだけ理想的なものをつくりたいというふうには考えておりますが、教職員の研修等につきましては、大村市に大村教育センターというのがございますので、職員の研修につきましてはそちらの方でやって、久原養護学校でそういう研修施設まで用意するというふうなことは、現在のところ考えておりません。 ○議長(村山一正君) 関連質問に入ります。十二番。     〔関連質問〕 ◆十二番(野口健司君) それでは、大変仲のいい吉川先輩の質問に関連して、国道三四号線の問題で関連して質問いたします。 知事、国道三四号線ももちろんそうなんですが、いわゆる直轄国道の一般改築、この予算というのは非常に厳しいものがあると思うんです、非常に厳しい。先ほど土木部長の答弁も聞いておりましたけれども、なかなか我々は、なるほど、これは安心できるぞ、そういう感じすら受けない。全く今までと同じトーンなんですね。これは、一つの明確な、例えばどうして国道三四号線、もしくは五七号線等々にそれなりの予算が投下をされないかというのは、やっぱりわけがある、私はこう思うんですね。一つは、やはり建設省の方針です。昭和六十二年だったと思いますけれども、高速道路の幹線網の整備計画というものを立てた。これは全体で一万四千キロメートルを高規格、もしくは規格の高い道路で整備をしようという話だったんです。現在はそのうちの約七千キロメートル、二分の一が大体整備が進んでおるけれども、まだまだ半分残っていると、そういう状況からいきますと、規格の高い道路に非常に予算を配分をされて、いわゆる通常の直轄国道の一般改築には予算が回ってこない。こういう状況が今往々にして続いているんです。それを何とか変えていかないと、今からこれを何回やっても、何回議論しても同じですよ。私は基本的にはこれはやっぱり建設省に非常に問題があるんではないかと思っております。それぞれ都市計画決定をし、それぞれ事業認可をしながらも、いわゆる予算を投じられない。やっぱり建設省の体力に問題があると、私はそう思っているんですが、知事はどう思っていらっしゃいますか、まずそれからお尋ねします。 ○議長(村山一正君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 三四号線の問題は、先ほど吉川議員からの御質問にございましたとおり、ちょうど私が政務次官のときに事業認可いたしました。その後七年間たちまして、事業が余り進んでいないということで、私も大変責任を感じておるわけでございます。今、野口議員御指摘のとおり、建設省といたしましては、一般改築の予算というものが非常に限られておる。積極的に高規格を含めた高速道路のそういった基幹道路に重点的に配備をしておると。これは最初はそうでもなかったんですけど、公共事業の見直しのいろいろな問題が出ましてから、特にその点が厳しくなりました。したがって、先ほど私も五七号線の問題でお話をしたときに、特に高速道路と並行して走っている一般改築道路等については、なかなか予算がつきにくいというような現況に今日あるわけでございます。したがって、例えば九州管内での直轄事業でのそれぞれの配分を見てみましても、高規格幹線道路とか、地域高規格幹線道路には約八百億円の予算がありまして、一般改築には三百億円の予算でございます。それだけの差があるわけでございますから、議員御指摘のとおり、これはなかなか難しい問題かなというふうに思っております。ただ、御承知のとおり、日見バイパス、針尾バイパスに今、年間たしか、はっきり覚えておりませんが、四、五十億円ぐらいの投資をしておりますので、大体議員も御存じのとおり、建設省の予算というのは総枠が決まりまして、総枠の九州総枠が決まりまして、それから長崎県内は幾らというふうに大体決まってまいりますので、その中でのやりくりというのが今日までの事業のやり方になっておるわけでございます。したがって、当然、事業が進んで終わりに近づいてくれば、その予算を配分していくという形になっていくだろうというふうに思いますので、なかなかその点について、議員から見ると建設省の方針、いろいろとお考えがあるかもしれませんが、そういった中でのこれからのやりくりということになっておりますので、できるだけ地元の皆様方の御意向を踏まえながら今後努力をしていきたいというふうに思っております。 ○議長(村山一正君) 以上で、県政一般に対する質問を終了いたします。 さきに上程いたしました第四十七号議案ないし第六十五号議案、報告第三号ないし報告第二十号、並びに認定第一号ないし認定第三号につきましては、お手元の議案付託表のとおり、それぞれの委員会に付託いたします。 各委員会はお手元の日程表のとおり、それぞれ開催されますようお願いいたします。 以上で、本日の会議を終了いたします。 明日より七月三十日までは、各委員会開催等のため本会議は休会、七月三十一日は定刻より本会議を開きます。 本日はこれをもって散会いたします。 御苦労さまでした。     -- 午後三時二十分散会 --...